• "訴訟上の和解"(/)
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  1. 千代田区議会 1990-06-06
    平成2年第2回定例会(第1日) 本文 開催日: 1990-06-06


    取得元: 千代田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-02
    千代田区議会議事録 トップページ 詳細検索 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成2年第2回定例会(第1日) 本文 1990-06-06 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 30 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長水野正雄君) 選択 2 : ◯議長水野正雄君) 選択 3 : ◯区長木村茂君) 選択 4 : ◯議長水野正雄君) 選択 5 : ◯四番(城井健介君) 選択 6 : ◯区長木村茂君) 選択 7 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 8 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 9 : ◯議長水野正雄君) 選択 10 : ◯三十六番(鈴木栄一君) 選択 11 : ◯区長木村茂君) 選択 12 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 13 : ◯三十六番(鈴木栄一君) 選択 14 : ◯区長木村茂君) 選択 15 : ◯議長水野正雄君) 選択 16 : ◯議長水野正雄君) 選択 17 : ◯九番(川島ひろゆき君) 選択 18 : ◯区長木村茂君) 選択 19 : ◯総務部長小藪俊雄君) 選択 20 : ◯区民部長加藤忠君) 選択 21 : ◯福祉部長八田和之君) 選択 22 : ◯建築公害部長石津達太郎君) 選択 23 : ◯議長水野正雄君) 選択 24 : ◯十八番(中村つねお君) 選択 25 : ◯区長木村茂君) 選択 26 : ◯教育長(井澤一弘君) 選択 27 : ◯十八番(中村つねお君) 選択 28 : ◯区長木村茂君) 選択 29 : ◯議長水野正雄君) 選択 30 : ◯議長水野正雄君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 1990-6-6:平成2年 第2回定例会(第1日目)本文 834号    午後一時一分開会 ◯議長水野正雄君) ただいまから平成二年第二回東京都千代田区議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名員を定めます。  会議規則第百十七条の規定に基づきまして議長より御指名申し上げます。           三番 大宮 正義君           四番 城井 健介君 にお願いいたします。  会期についてお諮りいたします。今次定例会の会期は本六日より六月十五日までの十日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 2: ◯議長水野正雄君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  御報告申し上げます。地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定により、千代田区街づくり推進公社に係る平成元年度事業実績報告書及び収支決算書並びに平成二年度事業計画書及び収支予算書の提出がありましたので、お手元に配布しておきましたから御了承願います。  報告を終わります。  この際、木村区長より議会招集のあいさつを求めます。    〔区長木村茂君登壇〕 3: ◯区長木村茂君) 平成二年第二回区議会定例会の開会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。  最近の国際情勢は、昨年来の東欧諸国で巻き起こった民主化、自由化を求める大きな潮流を起点として、その構図が大きく様変わりしようとしております。  戦後の歴史の流れの中で、東西両陣営の盟主として世界の構図を秩序づけてきた米ソ両国は、昨年のマルタ島での首脳会談で東西冷戦の終結を誓い、ヤルタ体制後の新しい国際秩序構築への協調を確認し、さらに、このたびのワシントンでの首脳会談では、戦略兵器削減交渉の年内調印に向けての合意確認を初め核実験の検証、化学兵器の製造中止など軍縮史上画期的な成果を上げて閉幕したところであります。  こうしたマルタからワシントンへの新たな展開は、我が国を含むアジア、太平洋地域の安全とも無縁ではなく、世界の平和と繁栄に向けてさらに一歩前進したものと考えます。
     対立から対話、さらに協調へ進もうという米ソ関係の基調はより堅固なものとなっておりますが、一方、統一に向けて加速する東西両ドイツの動向や、リトアニアを中心とするバルト三国のソ連邦からの分離独立要求など今後の国際情報は不安定、不確実な要素を含んだ状況となっております。  こうした中で、過日開催された日韓首脳会談で、自由と民主主義という共通基盤に立脚する両国が、過去のわだかまりを払拭し、誠意と信頼を礎として友好協力関係を増進していくことで合意を得たことは、二十一世紀のアジア、太平洋時代の幕あけと、極東、アジアの平和と繁栄の達成に大きく寄与するものであります。  一方、我が国経済は、年初来の円、株、債権のトリプル安による景況感の落ち込みも、今のところ、やや改善の兆しが見られ、景気は再び拡大傾向に転じたと報じられております。  しかしながら、日米構造協議に象徴されるように、対外的な経済摩擦の激化など極めて困難な課題が山積してあります。今後の我が国の経済運営においては、外国企業の市場参入など市場開放の徹底や新たな世界秩序の形成に向けた積極的な貢献が求められております。今後とも、国民生活の安定と世界経済の繁栄に向け、内需拡大を基調とする着実な経済成長が望まれております。  さて、区政を取り巻く行財政環境は、社会情勢の大きな変化に伴い、引き続き厳しい状況にあります。こうした情勢のもとで、私は、区政の基本目標である「活気と安らぎのある調和のとれたまち」の実現を目指し、千代田区改定基本計画を初め街づくり方針を基軸に施策の推進を図っておるところであります。  そこで、当面する区政の諸課題について所信の一端を申し述べ、区議会の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  まず初めに、これまで区議会の皆様の御指導、御支援をいただいてまいりました旧国鉄総裁公館跡地の取得について、このたび実現の運びとなりましたことに対し御報告申し上げ、心から感謝の意を表したいと存じます。  私は、かねてより依然として続いている人口の減少に歯どめをかけ、定住人口の回復を図り、安心して住み続けられる人間性豊かなぬくもりのある都心の形成と、来るべき高齢社会に向けた区民福祉の総合的な向上を図るため、在宅福祉サービスなどの諸施策の積極的な推進を図ってまいりました。とりわけ、高齢者を中心とした総合施設の必要性を痛感し、その設置につきましては、本区の最重要課題として全力を挙げて取り組んできたところであります。  その適地として、旧国鉄総裁公館跡地を取得するため、これまで国鉄清算事業団に対し強く譲渡を要望し、粘り強く交渉を続けてまいりました。その結果、去る五月二十九日に開かれた国鉄清算事業団の資産処分審議会におきまして、本区に譲渡することの答申が出されました。このことは区民にとって最高の朗報であり、区政の大きな前進を意味するものであると確信いたしております。  今回、本区に譲渡されることを決定しました国鉄清算事業団に対し、深く敬意を表するとともに、これまで御理解と御協力をいただきました区議会を初め国、東京都そして関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。  今後は、売買契約の早期締結に向けて、国鉄清算事業団と協議を進めるとともに、地元を初め関係方面と十分協議しながら全庁挙げて事業の推進に取り組んでまいりたいと存じております。  建設を予定しております(仮称)高齢者総合サービスセンター等の概要は、新しい福祉理念に基づく特別養護老人ホームを中心とした高齢者サービス施設、多目的ホール等の文化・コミュニティ施設、健康・保険施設をあわせ備えた、千代田区に住み、働き、集うすべての人々が利用でき、多様な機能を持つ地域に広く開かれた総合的な施設にしてまいりたいと考えております。  いずれも区民要望が極めて高く、生活都心の形成に不可欠な区民施設であり、人口の定着はもとより、区民福祉の一層の向上に大きく寄与できるものと確信しております。区民の待ち望んでいる施設の早期実現に向け、全力を傾注してまいる所存でありますので、今後とも区議会の特段の御支援と御協力をお願い申し上げます。  次に、住宅政策についてでありますが、申し上げるまでもなく、住宅は人々の生活の基盤であり、本区のまちづくりの基本的要素でもあります。したがいまして、住宅政策は生活都心の具現化にとって最も重要であると考え、中長期的な視点に立った住宅政策を、総合的かつ体系的に推進すべく、千代田区住宅基本計画を策定することといたしました。  その策定に当たりまして、専門的な見地から検討を行うため、去る五月十八日に、各界の有識者による千代田区住宅基本計画策定委員会を発足させた次第でございます。  この委員会に対しましては、多岐にわたる住宅問題の解決に向け、既存の制度の枠内にとどまることなく、さまざまな角度から検討を行い、千代田区における住宅供給方針、供給目標、供給方策や公共と民間の役割分担など住宅供給の新しい取り組みを、千代田区住宅基本計画の素案としてお示しいただけるようお願いいたしたいところであります。この素案をもとに、議会及び街づくり懇談会、街づくり協議会の御意見をちょうだいし、原案を作成していく所存であります。  現在、国におきましては、大都市地域における住宅等の供給の促進に関する特別措置法及び都市計画法、建築準備法の一部改正案が今国会に上程され、審議がなされているところであります。また、東京都におきましても、去る四月二十四日に、東京都住宅政策懇談会の最終報告が答申され、新たな施策の展開がなされるものと考えられます。  住宅問題は大変に幅広い問題であり、また、解決策が容易に見出しがたい問題でもありますが、区政に対する区民の期待は非常に大きなものがあると存じます。したがいまして、区といたしましては、これらの国、東京都の動向を十分見極め、関係機関との連携をさらに深めつつ、住宅問題の解決に向け、今後とも一層の努力を傾けてまいる所存でございます。  次に、特別区制度改革についてでありますが、第二十二次地方制度調査会では、「都区制度等大都市制度のあり方」について本年四月に特別区のヒアリングを実施し、九月の答申を目指して審議が進められております。しかしながら、特別区が目指している自治の主体性などに関して、必ずしも都区合意の趣旨に沿った審議内容ばかりでなく、特別区の再編成、規模の適性化など本区にとって重大な関心を持たざるを得ない論議の内容も見受けられるところであります。  特別区が東京都の内部団体的性格を払拭し、名実ともに自立した基礎的自治体となって、区民に身近な仕事を責任を持って行うためには、都区合意に沿った特別区制度改革の実現を目指すことが必要であります。  私は、今回の制度改革の実現のため、今後とも区民の御理解とご協力を得ながら、さらに積極的に国、都等への働きかけを展開してまいる所存であります。  さて、今回御提案いたしました諸議案についてご説明申し上げます。  まず、平成二年度東京都千代田区一般会計補正予算第一号についてでありますが、緊急かつ必要な事項に絞り、各経費を計上いたしました。  初めに、損害賠償関係経費として、練成中学校において発生しました国家賠償請求事件につきまして、本区と被害者の間で和解の協議が調いましたので、そのために必要な損害賠償金等の経費を計上いたしました。  次に、当初予算において(仮称)高齢者総合サービスセンター等の設置推進経費を計上しましたが、旧国鉄総裁公館跡地が、先ほど申し上げましたように、購入できる見通しがつきましたので、用地取得並びに基本設計費等を計上いたしました。  次に、当初予算において、秋葉原地域関発の推進経費を計上いたしましたが、都市空間の活用並びに常磐新線の導入等地域の活性化、東西一帯の総合的開発をより具体化し、その実現を促進するための調査経費を追加計上いたしました。  これらの財源につきましては、特別区税、特別区交付金、国庫支出金、都支出金、繰入金並びに諸収入に求めております。  この結果、今回の補正額は歳入歳出とも三百五十一億一千九百七十六万四千円となり、本年度の一般会計の総額は六百七十六億四千五十八万五千円となりました。  その他の議案といたしましては、まず、国家賠償請求事件に係る訴訟上の和解についてでありますが、本案は補正予算の説明で申し上げましたとおり、千代田区立練成中学校での学校事故に関する訴訟について、裁判所から和解の勧告があり、被害者の早期救済のために和解するものであります。  次に、東京都千代田区特別区税条例の一部を改正する条例でありますが、本案は、地方税法の一部を改正する法律の公布に伴い、特別区民税の損害保険料控除を設けるほか、土地譲渡関係の課税の特例措置の適用期限を延長するものであります。  その他、社会経済事情の変化に伴い、所要の改正を行うため、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例並びに職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例であります。  また、報告案件といたしましては、平成元年度東京都千代田区一般会計予算の繰り越し明許費に係る歳出予算の繰り越しについてであります。  何とぞ諸議案につきましては、慎重御審議の上、原案どおり御議決賜りますようお願い申し上げます。  以上をもちまして、平成二年第二回区議会定例会の開会のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長水野正雄君) これより各会派の代表質問に入ります。  初めに、自由民主党議員団を代表して、四番城井建介君。    〔城井健介君登壇〕 5: ◯四番(城井健介君) 平成二年第二回区議会定例会に当たりまして、自由民主党議員団を代表して質問をさせていただきます。  五月三十一日から四日間にわたって行われましたブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連大統領とのワシントン会談は、冷戦時代を象徴した戦略各兵器の削減へ向けて、歴史的な歯車を回したと評価されています。核兵器という恐怖の均衡によって特徴づけられた冷戦時代が終わりを迎えたと言ってよいと思います。  一昨日は、ゴルバチョフ・ソ連大統領と盧泰愚韓国大統領との首脳会談が行われ、韓国、ソ連の国交正常化への合意がなされました。常に不安定な緊張状態にあった隣接した朝鮮半島にあって、安定へ向かうことは我が国にとって大いに歓迎するところであります。南北のクロス承認という方向に進めば、この北東アジアにも新しい時代が生まれるものと思われます。  それにしても、最近の世界情勢の変化の度合の激しさには驚かされます。このような急激な変化は、だれもが予想されなかったことであります。  ソ連国内での経済的な困難の問題とともにクローズアップされてきたのが民族の問題ですが、この問題はソ連のみならず世界中で発生している問題であります。しかも、この問題の解決の難しさは並みの大抵なものではなく、今後、世界情勢の不安定要因として世界の国々を悩ませることと思います。  さて、過日、昭和六十三年度の東京都の都内総生産は七十兆円に迫ったと発表されました。そして、国内総生産の一八・八%にたっするとのことであります。都市ではなく国の規模と比較すると、経済協力開発機構加盟国において、東京都は英国に次いで七位の位置を占めるという驚くべき経済力であります。しかも、それぞれの国は海外援助費とか軍事費とかもろもろの負担を抱えているわけでありますから、それらの負担のない東京都の財政力は、外の国家と比較してかなりのところに位置しているわけであります。  東京都の財政力に関連して、千代田区の財政力も同じく比較の上では大きなものと考えられます。しかし、実感としての経済力はなかなか数字どおりにはいかないものであります。しかし、この大きな経済力は、実感は乏しいものの、世界の中では羨望されているものであり、この経済力を活用していく上での責任は、常に心すべきものと考えます。  旧国鉄総裁公館跡地についてお尋ねします。  昭和六十二年四月、日本国有鉄道の改革に伴い、旧国鉄用地が処分対象になったことを受けて、同年八月、旧国鉄総裁公館跡地を一般競争入札に先立ち、総合福祉施設等の建設用地として千代田区への優先譲渡を当時の加藤区長が要望され、昨年十月三十日に譲渡申請を行い、さきの国鉄清算事業団資産処分審議会において、五月二十九日、千代田区への譲渡の答申がなされました。木村区長を初めとする関係理事者及びこれに関係された方々の御努力のたまものであり、深く敬意を表する次第であります。  本格的な高齢者社会を迎える中で、本区の人口構成も特徴的に高齢化が進み、特別養護老人ホームの区内建設等の高齢者福祉対策は区政の重点課題となっております。もとより高齢化が進む中、特別養護老人ホーム等の建設は、区民、特に高齢者の方々の期待が高いことは、平成元年に発表された千代田区高齢者生活実態意向調査や、第十六回千代田区民世論調査などで明らかに示されております。  明治、大正、昭和と激動の時代を大変な苦労をされてきた方々にとって、千代田区内に特別養護老人ホーム、高齢者在宅サービスセンター建設のための用地が確保される運びとなったことは大変な朗報であります。千代田区が贈ることのできる最大のプレゼントと言えます。  お年寄りにとって住んでいるところから遠く離れた老人ホームに入所することは、また新たな不安を与えるものであります。区内に老人ホームが建設されれば、その不安、寂しさは大いに減らすことができます。ノーマライゼーションの考え方の基に高齢者住宅サービスセンターが区内に設置されると、自宅で療養されている高齢者の方々へのサービスレベルは大幅に上がります。  さて、施設整備に当たっての基本的考え方において、千代田区に住み、働き、学ぶ広範囲の区民が利用できる多様な機能を持つ地域に広く開かれた施設であり、二十一世紀に向けた理想的な公共施設を目指すとされていますが、これは具体的にはどのようなお考えなのかお聞かせください。  また、新しい生活文化及び都市文化の創造につながるものと述べられていますが、この点はいかがでしょうか。  地域との調和を図るとともに、施設建設に当たっては都市景観に十分配慮した地域建造物の先導的役割を果たすものとしていくと述べられていますが、これらの点についてもお考えをお聞かせください。  地域と調和を図るという点でありますが、この地域は千代田区においても有数の高級住宅地でありますし、住まわれる方々もこの地域に特別の愛着をお持ちだと考えます。地域の特性に合った調和のとれた施設をつくるという基本の方針は大変大事であると考えます。この点については、地域の方々の協力を得る上でも同じく大事な点であると考えます。そして、地元の方々の意見を十分に聞かれるよう要望します。  また、いつごろを開館の目標日時とされているのかお聞かせください。  次に、長期総合計画についてお尋ねします。  ただいま、千代田区において長期総合計画について策定の準備が行われていますが、それらについて幾つか質問させていただきたいと考えます。  昭和五十三年に「活気と安らぎのある調和のとれたまち」という基本目標のもとに、基本構想、基本計画が策定され、昭和六十年には現在の改定基本計画が策定されました。そして、現在ではその計画の九割を超す達成率を果たし、区政は着実に進展していることは御存じのとおりであります。  ここで、改めて平成四年度を目標に、新基本構想、新基本計画の策定が予定されているわけですが、本年度のこれらについては本調査の開始、職員プロジェクトチームの設置というスケジュールになっていますが、着々と用意おさおさ怠りなく進行されていることと思います。  区政を取り巻く環境においての大きな変化といえば、夜間人口の長期的な減少であります。これは昭和53年の基本構想策定時においても区政の中心課題でありました。この問題の解決方法としてつくられたのが街づくり方針であると考えます。人の住むまち住めるまちの魅力ある都心の実現を目指し、四つの都市像の具現化を図るものであります。  特に文化都心では、施策がすべて文化という視点で行われるべきという点は留意すべき点であります。生活の中で量の問題から質の問題へと変化し、施策においてはより人間らしさを求めるようになったことを示しております。国際的に開かれた情報都心という点も、これからの区政の上で重要であると考えております。  また、街づくり方針で明確化された企業のまちづくりへの協力の点であります。区民、企業、行政の三位一体によるまちづくりが方向づけられてきたわけですが、最近は企業の協力金という新しい協力が求められてきました。世田谷区や中央区では住宅条例が策定されました。それらは具体的な施策というよりも、将来の施策の方向づけであると言われています。しかし、企業のまちづくりへの協力は、いずれも明文化されている点は注目すべきだと考えます。  我が区の街づくり方針の影響もあったと考えられますが、都心における居住の問題が、国においても都においても施策の流れとなってきました。大都会においても、生活のないまちはつくらないということでしょうか。生活のある都心ということでしょうか、そして、その住宅は戸建てから共同へ、そして賃貸へとその施策の方向は大きく変わりました。  また、都市計画においては、今までより、より詳細な都市計画が持てるような法律の改正が行われました。土地の利用について細かい利用目的が方向づけられ、決められることは、地価の問題にも都市景観においても、住みやすさにおいても大きな関係があります。  昨今、大きく取り上げられていることに、ごみの削減と資源の有効利用の問題があります。人間と環境が調和するリサイクル型の都市が将来必要になるでしょう。夜間人口の五万人に対して昼間人口の百十万人とも百二十万人とも言われていますが、これだけの昼間人口があることは、千代田区の活気のもとになっていることは明白であります。  教育と文化のまち千代田区宣言において、「集い、働き、学ぶ人々と共に」という言葉が書かれております。最近では旧国鉄総裁公館跡地の総合施設の利用構想の中に、「千代田区に住み、働き、学ぶ広範囲な区民」と書かれております。区政の対象としての区民の範囲は、夜間人口だけでなく昼間人口をも含めることは幾つかの文章でうかがい知ることはできますけども、いま一つはっきりした対象の転換というところが見られません。しかるべき機会をとらえて、その方針の変化を明らかにする必要があると考えます。  千代田区が自治体の行政のみならず、世界都市東京の中心部として、今までにない行政が求められており、幅広い区民の考え方こそが、千代田区の千代田区らしさであり、自治体として未来への展望が開くものと考えます。  以上、幾つか申し上げましたとおり、千代田区を取り巻く環境は、昭和五十二年当時とは大きく変化しております。昭和六十年において策定された改定基本計画においては、八年間の計画事業費は二百五十三億円でありました。当時の財政事情は低成長時代は続くとの判断でありました。しかし、計画事業を九割方行ったと言われ平成元年度において、積立金とも言うべき街づくり基金は五百七十億円にならんとしております。しかも、本年は一番町の旧国鉄総裁公館跡地を、新聞報道によれば三百五十億円を目安に購入しようとし、総合施設の建築費は七十億円を予定していると報じています。実際に改定基本計画により、実施計画が始まったのが昭和六十一年であり、わずか四年でその経済的環境は大きく様変わりし、財政の規模も大きく変化したのであります。  実際、世界においての昨今の情勢の変化は全く予想もつかないような大きなものであります。おなじく世界の一極を任う日本においても、また、その首都東京も同じであります。千代田区においての変化も同じくであります。三年たてばその状況は大きく変わると言われております。  東京都におきましては、長期計画の改定の必要性から、現長期計画の終了を待たず、昨年十一月に懇談会を結成し、本年十月に最終答申を出し、十一月に長期策定のスケジュールとなっています。その対応の早さに驚かされます。  翻って本区の場合を見ますと、本年は本調査の年であり、来年は審議会の設置、答申となり、平成四年度が策定の年となっております。実施計画は今までのとおり進行すれば、平成五年度ということになるでしょうが、長期構想、長期計画が諸施策のベースであり、現改定基本計画のあらかたの達成が言われている現在、平成五年までの期間は空白になってしまうわけであります。幾つかの重要な施策は長期構想、長期計画の策定を待たず、先行的に進められる状況であります。しかし、本年度に行われる本調査の内容は、急速な時代の変化についていけるのでしょうか、心配であります。長期構想、長期計画の策定は急がれるべきと考えますが、この点、区長はいかがお考えでしょうか。お考えをお聞かせください。  次に、街づくり条例についてお尋ねします。昭和六十二年に策定された街づくり方針は、みずからの知恵と努力で自治体の未来を切り開こうとしたものであり、その影響は多大なものがありました。その目的とするところは、都心千代田の特異な位置を認識し、その特質の上にまちづくりを行うとするものであり、それに関係する行政の分野も大変広いものがあります。  商工振興方針の策定や住宅基本計画の策定、公共施設適正配置に関しての公共施設整備計画の策定、都市景観形成方針の策定、国際化施策の体系化、商工振興施策の体系化、地区整備計画の体系化、国公有地利用計画の策定とか、早急に対処すべきものはたくさんありますが、いずれもまちづくりに関連するものであります。そして、それらはばらばらに進行するものでなく、街づくり方針の目指した方針に沿って統合的に策定される必要があります。そして、文化都心としての考え方、すなわち千代田区のまちづくりは文化の視点で組み立てるべきという点や、情報都心としての国際化に対応した視点が、これから将来にかけて進行するまちづくりに組み込まれる必要があります。そして、街づくり推進公社についても、まちづくりに膨大な資金が必要な場合が多く、自治体が独自に短期間で行うことには難しい面があり、民間の資金と能力を積極的に導入し、行政目的を効率的に実現しようとするものという本旨の観点から、数々の施策の策定が進む中で、その位置づけをする必要があると考えます。  今こそがまちづくりの基本的な考え方、進め方について公的に位置づけるためにも、街づくり条例の策定を検討すべきときであると考えますが、これについて区長はいかがお考えでしょうか。  次に、文化行政についてお伺いします。  文化について千代田区が持つべき方向性は、昭和五十九年につくられた教育と文化のまち千代田区宣言において述べられております。そして、区政を取り巻く環境の厳しさにより、街づくり方針が策定されました。その中で、「まちづくりは文化の視点で行われるべきである」と述べられています。この文化という視点については、一定の考え方が必要と考えられますし、また、文化行政についても整理が必要だと考えます。  文化については、高度な意味で言えば、芸術とか学問とか思想とかを連想しがちでありますが、暮らし、生活というものの中に文化を広げて考える必要があると考えます。教育と文化まち千代田区宣言においては、さらに明確に、「文化とは私達のつくるまちそのものであり、生活そのものと考える」と述べております。でありますから、文化行政は大きく分けて二つあると考えます。一つは、区民文化活動のための条件整備であります。二つ目は、暮らしや生活そのもののための行政であります。  区民文化活動のための条件整備とは、第一に区民文化活動のための施設整備であります。集会施設、演劇、音楽などの芸術ホール、歴史資料館、博物館、美術館などの文化施設の整備であります。  第二は、区民の文化活動のための情報提供であります。文化情報誌、パンフレット、タウン誌などが多数発行されていますが、これらが有効に必要な区民に届くような行政的配慮が必要になるでしょう。  第三は、領域の異なる区民が、その望みに合うような文化活動ができるような交流機会を提供することです。この点につきましては、新しい都心文化という点で、後段で改めて触れたいと思います。  暮らしとか生活について文化的向上を図るということは、文化的生活環境の整備と言えると思いますが、その第一は、潤いのある美しいまちを目指すことと考えます。美しい大都会という言葉から私たちが思うのは、広い道路、大きく茂った街路樹、美しい町並み、ごみのないきれいな道路、橋、広場、きれいな水辺の空間等があります。これは、現在おこなわれている道路修景事業やコミュニティ道路事情とも関係しますが、大きくは現在検討中の都市景観方針、将来的にはその条例とも密接な関係があると思われます。また、広い意味での都市計画そのものと言ってもよいと思います。  第二は、快適さのあるまちを求めることと考えます。商店街はそれぞれに整備され、トイレも備わった休憩所はところどころに設けられ、親しまれる彫刻やモニュメントが設けられ、演劇祭や演芸祭が劇場で開かれます。また、区を挙げてのイベントがまちじゅうを練り歩きます。まちに安らぎと活気をもたらします。  第三は、自然と歴史を大切にするまちであります。千代田区の中心に江戸城がありますが、江戸時代につくられた極めて政治的な構造物は、現在では自然物と化し、その環境は都心においてはかけがえのないものとなっています。一方、神田川や日本橋川の水辺の環境という点については、しばしば指摘されているように、いろいろな問題を抱えています。江戸時代から政治の中心地であった千代田区は、その歴史とのかかわり合いは密接なものがあります。また、それに関連しての地名、町名、坂の名なども大事にされなければなりません。  第四は、産業が地域に密着して活気のあるまちであります。千代田区においてはユニークな商業の集積が見られますが、さらにこれらを含めた今後の全体的な発展が望まれます。また、これは区で検討が進められている商工振興条例とも大いに関係があります。  以上のように、その文化行政の課題を検討いたしますと、まさしくまちづくりそのものであります。千代田区街づくり方針で述べているごとく、「千代田区のまちづくりは文化の視点から組み立てられるべきであることを十分認識していく必要がある」という点は留意する点だと考えます。  丸の内のオフィスセンターとしての役割や霞が関の行政機関の集中は、一つの現代を象徴する文化を構成しています。ロンドンのシティやニューヨークのウォールストリートやワシントンDCが一つの文化であります。そこに集まる人々の気質を形成し、独特の町並みを形成しています。  千代田区の文化行政においては、置かれている位置を認識し、新しい展開が必要と考えられます、丸の内や霞が関も十分に考慮したものが必要になるでしょう。そして、そこに集い、働く人々がどのような文化的な要望を持っているかを調べて、それらの対応をすべきものと考えます。  また、丸の内、霞が関などの情報の集中の特性をさらに補完する意味での情報の提供システムとしてのCATVシステムなども必要になると考えられます。  現在、日本は国際化にどう対応すべきかという点で問題を抱えていますが、千代田区においても大変重要な問題であると考えます。特に日本を代表する位置にある千代田区は、乗り越えなくてはならぬ一つの文化のハードルとして国際化を認識する必要があり、これらに対応する文化行政が必要と考えられます。  千代田区は江戸時代から長い間政治の中心地であり、また、文化の中心地でありました。千代田区のそれぞれの地域が政治や文化の歴史に深いつながりがあります。例えば、飯田橋の地域について言えば、大学を開校したところは日本大学、国学院大学、東京農業大学、東京女子医科大学と四つの大学もあります。千代田区全体を地域とのかかわり合いでの歴史の資料館にすることは難しいことではありません。  また、我が党の一般質問において提案された神田っ子の気質についての資料館もユニークな発想であります。また、私が提案いしましたたくさんの歴史的資源を利用しての街角博物館があります。これは観光地、商業ポイントを連結させるものとしての休憩所の役割をも持たせたいものであります。  区内では地域的に特化し、また全国的、世界的に注目を集める場所があります。例えば、秋葉原、小川町、神保町等の商業集積地、丸の内のオフィスセンター、霞が関の官庁群などがあります。これらの特化した場所については、その特性に応じてそれらをフォローする意味での対応が望まれます。例えば、秋葉原は電気製品の完全市場と評価され、ないものがないと言われております。その特質を生かして貿易センターを誘致するのもおもしろいことと考えます。  さて、文化行政、すなわちまちづくりと重なり合う点が多いということは申し述べましたが、本来の文化に戻って、文化を育て成熟させる行政と、都心千代田ゆえに花開くであろう文化というものがないだろうかという点で申し述べたいと考えます。  千代田区が抱える問題のうち人口問題があり、これについての論議は何回も繰り返されてきたところであります。しかし、私どもの熱い思いとは裏腹に、自治法に即した論議や二十三区のバランス論などが論議されていることは事実であります。このような環境の中で、自治体として存続する手だてとして、他に見られない独特の行政と文化を持つことは存在を立証することであり、存立の証明になるものと考えます。  千代田区の他の自治体に持たない特質として、日本人の東京の中心に向かおうとする意識があります。地方で生活された方ならばだれでも理解できると思いますが、日本人は日本のどこで生活しようが、意識の一部は東京に向いております。東京での新しい動きに敏感に反応し、また、地方の出来事は東京でどのように受けとめられているかを意識しております。  このように、東京に向かってはっせられる意識は、結局のところその千代田区に収れんされると言って過言でないと考えます。千代田区における都市文化創造の活動は、千代田という自治体を超えて大きな基盤を得ることができると考えます。これは、千代田区の自治体の位置を大きく飛躍させることになると考えます。  もう一つは、百十万と言われる昼間人口であります。そして、彼らが勤務する各企業や団体の中で多種多様な文化活動が行われています。これらに交流の場を与えて適切な刺激や援助を与えることができるならば、その大きな創造の場に発展する可能性があります。昼間人口も含めた広い範囲の区民に文化創造の場を提供することが、新しい千代田の文化の出発点にならないでしょうか、音楽、演劇、絵画、民族芸能といろいろとありますが、その人たちの集まる場所、練習する場所、発表する場所を千代田区内に多数設置することができ、活動が開始されれば、日本人の意識の集まるところとしての千代田は、日本文化の中心地となることができると考えます。  また、最近の傾向として、企業が慈善活動や公益団体への寄附、芸術文化面での支援など社会貢献活動を積極的に展開する動きが見られます。これをフィランソロピー、芸術文化支援をメセナと呼ぶそうですが、日本においては寄附金の税額控除制度が十分に整ってないこともあって、企業のフィアンソロピーへの関心も薄かったものですが、経団連においても本年度の最重要課題の一つとして、経常利益の一%を寄附する一%クラブへの参加の促進を挙げています。都心における千代田文化を育てる上でも、この企業の行動は注目すべきものがあります。まちづくりにおける三位一体と同じく、区民、それも幅広い意味のですが、それと企業、行政の新しい文化の取り組みも重要と考えます。  さて、前段で申し上げたとおり、潤いのある美しいまち、快適さのある楽しいまち、自然と歴史を大切にするまち、産業が地域に密接して活気があるまちという文化的な生活環境の整備を追い求めると、それはまさしくまちづくりに帰着します。そして、まちづくりはその歯車を回転し始めており、その対応が急がれます。千代田区において花開くであろう都心文化の組み立てにも対応が望まれます。  今、千代田区に文化行政という新しい行政を求めるときがきたと考えられます。しかし、それを担当すべきセクションはどこが適当でしょうか。大変広い範囲の問題に取り組まなければなりません。教育委員会の社会教育課では処理できかねると考えます。やはり区長部局に文化推進室を設置する必要があると考えます。  さらに、この文化行政がまちづくりの延長上として、千代田区に集い、働き、学び、そして住む人々の総意のあらわれとして行われるよう、そして新しい都心文化が生まれるよう、その人々が構成する文化推進委員会の設置が望まれます。また、文化基金や文化事業振興財団の設置も必要と考えられます。これらの点について区長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
     次に、特別区制度改革についてお尋ねいたします。  さきの五月十二日、我が党では区議会議員連絡協議会で、都区制度改革推進大会を開催し、都区合意に基づく制度改革実現を目指すことを決議し、関係機関に訴えてきたところであります。この制度改革は、自治権拡充を図り、自治体の自主性を確立し、区民に最も身近な基礎的自治体となり、区民福祉の充実と行政サービスの向上を図るものであります。千代田区においても、行政、区議会が一体となって、国、都など関係機関に対して、この制度改革の趣旨の理解を求め、積極的に要望を行ってきたところであります。  国の動向を見ますと、第二十二次地方制度調査会では、この九月に都区制度等大都市制度のあり方についての答申が出されるやに聞いておりますが、この内容は都区合意に沿った制度改革であることが望まれます。しかしながら、区民の都区制度にかける熱情とは裏腹に、外から千代田区を眺める目は冷やかなものがあり、客観的であります。基礎的自治体として、廃置分合の権能の持つこつは大変重要なことと考えます。それを得ることをみずからに課す厳しさというものが逆にあります。今後の協議において粘り強い交渉が必要と思われますが、みずから課せられる自治体としての厳しさを意識し、自治体としてのオリジナリティを築き上げることが必要だと考えます。都区合意に基づいた制度改革の早期実現を目指す今、区長のお考えをお聞かせください。  次に、秋葉原のまちづくりについてお伺いします。  昭和六十三年十二月に、秋葉原地域整備構想が策定され、さらに一歩進めて秋葉原地域開発基本計画策定検討会議により、基本計画報告書が提出されたところであります。このようなところに建設省、都、区の合同により、個別の都市機能を有機的に連結し、活用するという考え方に基づいて、複合空間基盤施設整備についての研究体制ができ上がり、それぞれ一千万円ずつ、計三千万円の規模で行われ、当議会に当該補正予算案が提出されておるところであります。このアーバンコンプレックスと呼ばれる都市基盤整備事業の考え方は、例えば、高速道路上の空間や鉄道軌道敷地上の空間も立体的に利用しようとし、建物やいろいろな施設をその上につくろうとするものであり、この考え方は我が国においても先駆的な事例であり、建設省においても協力を惜しまない状況であると聞き及んでおります。  また、日米構造協議でも論議されたという、この秋葉原のまちづくりは、国内のみならず国際的な関心をも呼び起こしております。千代田区の千代田区らしさを求める上で、国際性のあるまちづくりも必要だと考えます。  今後、調整すべき関係機関や近隣関係者はまことに多岐にわたっておると考えますが、まとめ上げるのに大変な苦労が必要かと考えます。今後どのような方向で調整されて進行されていくのか、関係理事者のお考えをお聞かせください。  最後にお尋ねいたします。施策の庁内における総合調整機能の強化充実についてお伺いいたします。  冒頭の区長のあいさつにも述べられていますとおり、千代田区政を取り巻く厳しい行財政の環境の中で、今後ますます新たな課題への挑戦が求められている状況になっています。例えば、行政において、これからは文化的視点が強く求められるであろうことはさきに申し述べたとおりですが、ほかにも国際化の視点、情報化の視点とか新しい対応が求められています。  千代田区では、二十一世紀を展望したまちづくりをしようと、公共施設適正配置検討懇談会を中心に総合的な視野から検討に入っています。しかし、それはそれとして、区民要望の強さ、あるいは緊急性の高い事業には積極的に対応していかなければならないことも、また、当然の理であります。  このたび、一番町に予定されている総合施設につきましても、地域の要望にこたえた、真に地域に歓迎される施設で、かつ敷地の有効利用を図るならば、それは必然的に複合化された多目的な施設になると考えます。したがって、高齢者サービス機能、文化コミュニティ機能、健康・保健機能とあれば、当然一つの部を超えた庁内全体の総合調整が必要になるわけであります。こうしたことは、今後公共施設の適正配置の方針のもとに、施設の適正化が行われれば、同じく限られた用地を最大限利用しようと、複合化された施設がどんどんふえてくるものと思われます。  さらに、現在、長期総合計画が策定に向けて動き出したところですが、その策定のプロセスでも、また、同時進行する個々の方針なり施策においても、これまでるる申し述べてきた総合調整機能が強く求められてくると考えられます。換言すれば、新しい課題を次々と乗り越えていかなければならないこれからの区政において、一つの部、一つの課を超えた相互協力と、その間の調整が中心課題になったと言って過言ではないと考えます。この点について区長はどのようにお考えでしょうか、お考えをお聞かせください。  以上をもって終わります。どうもありがとうございました。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 6: ◯区長木村茂君) 城井議員の御質問にお答えいたします。  まず、旧国鉄総裁公館跡地に建設される公共施設についての御質問でございますが、千代田区におけるまちづくりは、高齢化、国際化、高度情報化という二十一世紀への大きな潮流の中で、人の住むまち、住めるまちの実現を目指して諸施策を現在も展開しておるところでございます。千代田区に住み、働き、集うすべての人々が地域社会の中で、ともに活動し、憩い、触れ合う共通の場をもつことが、地域社会の活性化を促し、住み続けられるまちづくりに大きく寄与するものと存じております。  このような観点から、今回計画されております施設は、地域に住み、働く若い世代から高齢者まで多世代のさまざまな人々が利用でき、活動できる多様な機能を持つ、本区の特性を踏まえた地域開放型の総合区民施設となるよう考えております。  その内容は、新しい福祉理念に基づいた高齢者サービス機能を中心とし、あわせて文化・コミュニティ機能、健康・保健機能を設置してまいりたいと考えております。殊に、文化・コミュニティ機能は、広範な区民の文化活動や地域社会の諸活動を側面から促進、支援する施設として、都市文化の創造にもつながるものと存じております。  今回、施設を設置するに当たりましては、都市景観行政推進の見地から、地域環境や旧国鉄総裁公館跡地の有する歴史と緑地空間に恵まれた環境に十分配慮し、地域の都市景観づくりの上で先導的役割を果す地域のシンボルとなるような建築物とし、魅力ある地域の形成に大きく寄与してまいりたいと考えております。  今後の予定といたしましては、本年度中に用地取得を目指し、これに並行して施設建設に向けて取組を急ぎ、区議会を初めとして区民、関係期間と十分協議をし、理解と協力を得ながら、できるだけ早期に施設建設に着手できるよう努力を傾注してまいる所存でありますので、御了承を願います。  次に長期総合計画についてお答えいたします。  昭和五十三年に策定されました千代田区長期総合計画策定後における区政を取り巻く諸情勢は、大幅な人口減少、地価の高騰、業務地化の進行等都心をめぐる社会経済情勢の急激の変化により、区民生活に多大な影響を及ぼしておることは、城井議員御指摘のとおりであります。  こうした区政を取り巻く情勢の変化と、将来展望を図りながら、新基本構想、新基本計画の策定に着手した訳でありますが、現下の急速な時代の変化を適確に見通し、住民、企業、行政の三位一体による区政運営を基盤に置きつつ、長期総合計画を時宜に合ったものにしていくことは、区政にとって重要であると認識しておるところであります。  予想以上に、首都東京の中心地である千代田区の地域環境と、区政を取り巻く諸情勢の変化は著しいものがあり、これへの迅速な対応は区政の最大の使命であると存じておりますので、二十一世紀を展望した千代田区にふさわしい新長期総合計画を、可能な限り早期に策定するよう努力してまいる所存でありますので、御了承願いたいと思います。  次に、街づくり条例についてお答えいたします。  御指摘のとおり、千代田区街づくり方針は、住民、企業、行政が三位一体となって共働し、千代田区の目指す四つの都市像の実現、とりわけ生活都心の実現を目指し策定されたものでございます。その理念を基本に、議会での御審議をいただきながら、各種事業を計画し、実施しているところであり、今日では長期総合計画改定の検討を初め商工新興方針の検討、住宅基本計画の検討、公共施設適正配置の検討などを進めておるところであります。  今後、これらの施策の策定及び実施が、街づくり方針の目標実現に大きく寄与するものと期待をいたしております。  さて、こうした状況の中で、これらの施策を体系化し、総合化し、街づくり方針の理念と、それに取り組む組織及び手続きなどを、広範な社会的合意として宣言する街づくり条例の策定を検討することは重要であると考えております。  また、単なる宣言的、手続き前条例にとどめることなく、街づくり方針の理念をさらに発展させ、千代田区の特性に応じた具体性、実効性を持ったものとして、関連する諸施策との関係についても総合的に検討し、明示していく必要があると考えております。  ただいま、千代田区政にとって極めて重要な課題の検討を進めておりますが、これらの動向を十分に勘案しながら、御指摘の趣旨も踏まえ、街づくり条例の策定に向けて取り組んでまいりますので、御了承を願います。  次に、文化行政についてお答え申し上げます。  文化行政の定義はさまざまになされていますが、千代田区の立場から言えば、区民が千代田区にいつまでも住み続けたいと思い、そこに住んでいることが誇りに思える、そのような文化の根づいた地域社会を、区民とともに協働してつくり出すことであると考えております。  さらに、千代田区の文化行政は、教育と文化のまち千代田区宣言及び街づくり方針の中でのべられているごとく、文化の視点から組み立てられ、展開されるべきことは御指摘のとおりであります。  また、国際都市としての現状や昼間人口が百万人を超える現実を踏まえれば、千代田区に集い、働き、学ぶ人々との交流の場と機会を提供することは非常に重要であると考えます。  また、行政を文化の視点から考えるには、今までの縦割りの部門行政ではなく、関係する行政部門を横につないだ横断的組織が設置されるべきことは御指摘のとおり重要であると認識いたしておりまする。  さらに、文化行政の推進に当たっては、単に経済効率に偏重することなく、人間的な感性や美しさ、潤いなど心の要素等も大切であり、文化行政の総合的展開が必要であると存じます。  また、当然文化は区民がつくり、地域社会がはぐくむものであり、千代田区に住み、働き、学ぶすべての人々の発想と行動がその基盤でもあります。したがって、今後十分こうした幅広い人々の御意見、御要望を踏まえつつ、区議会での御論議もいただきながら、文化行政の長期的かつ体系的な確立に努めてまいりたいと存じますので、御了承願います。  次に、特別区制度改革の実現を目指す取り組み姿勢についてお答えを申し上げます。  特別区制度改革は、憲法上の普通公共団体として、自治権、財政権拡充を図り、名実ともに自立した、区民に最も身近な基礎的自治体を目指すものであり、この早期実現を、区民、区議会とともに願っておりますことは御案内のとおりであります。  現在の第二十二次地方制度調査会の動きは、招集あいさつの中でも触れましたが、この九月に答申が出されることが予想されております。その答申内容は、特別区、また千代田区にとっても予断が許さないものと認識をしており、私としてもこの動向に重大な関心を持たざるを得ないものと考えております。  このため、私はこれまでも区議会とともに、国、都など関係機関に対し、千代田区の実情を訴えてまいるとともに、先般の都区制度改革推進大会は、今後展開する活動の推進の原動力であったと感じておるところであります。したがいまして、今後も引き続き、全区民の理解と協力を得ながら、区議会と一体となって、都区合意に基づく都区制度改革の早期実現を目指し、積極的にPR活動や要望活動などを全力で取り組んでまいる所存であります。  また、御指摘のとおり、区が廃置分合等の発議権を持つべきであり、粘り強く交渉を続けることは、私としても当然のことと受けとめておりますので、よろしく御了承のほどお願い申し上げます。  最後に、施策の庁内における総合調整についてお答えいたします。  区政を取り巻く社会経済情勢は刻々と変化し、行政もそれらに対し、的確かつ効率的に対応していくことが重要であり、私といたしましても、強くその点認識しておるところであります。したがいまして、これらの多様化する住民要望にこたえていくために、総合的な施策の展開が求められるケースにつきましては、これまでも政策会議や庁議を通じ、関係部はもちろんのこと、全庁挙げて取り組み、課題達成に向けて努力してまいったところでありますが、今後とも御指摘の点も十分認識しながら、なお一層全庁挙げての取り組みについて努力してまいりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。  なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 7: ◯企画部長(瀧見浩之君) 城井議員の御質問のうち文化行政について、区長答弁に補足してお答えいたします。  文化行政の推進に当たっての文化推進委員会、文化基金、文化財団の設置等に対する御提言につきましては、先ほど区長から答弁がありました文化行政に対する取り組みの基本的考え方を十分踏まえた上、現在、策定作業に着手いたしました新長期総合計画の中で、貴重な御意見として検討事項としてとらえさせていただき、関係者の御意見等も十分踏まえ、文化行政の総合的、体系的位置づけを図りながら、前向きに取り組んでまいりたいと存じますので、御了承いただきたいと思います。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 8: ◯都市整備部長望月章司君) 城井議員の御質問のうち、秋葉原のまちづくりについてお答え申し上げます。  秋葉原地域のまちづくりにつきましては、千代田区は地域の総合調整者として主体的に、また先駆的に検討を進めてまいりました。そして、六十三年度には秋葉原地域整備構想を、平成元年度には開発基本計画の検討を終了し、今年度はこの開発基本計画を千代田区からの関係機関や近隣関係者への提案として素材提供を行い、活発な論議を進めていきたいと考えております。  御指摘の、複合都市空間基盤整備事業、いわゆるアーバン・コンプレックス事業につきましては、整備構想によって示された東西一体の開発を図るための格好の制度であり、昨年度より所管の建設省と協議を続けてきたものでございますが、このほど東京都との調整も整い、今会議に提案させていただいたものでございます。ここで得られた成果は、本区が策定する基本計画の内容を補完し、関係機関との協議にも供されることになりますが、秋葉原の地域特性を踏まえ、国際的にも先端性が際立った都市構造を備えたまちとなるよう、画期的かつ実現可能性のある研究成果を上げるよう努力してまいりたいと考えております。  ところで、本年度の秋葉原関係の関係者との調整は、開発基本計画と論議の素材としながら、東京都や清算事業団等との関係機関協議会と、電気街などの地元商店会や町会等と柔軟な姿勢で検討を進めてまいりますが、その際には、常に千代田区の総合調整者としての主体性と、地域からの発想の重視を念頭に置き、相互理解をベースに調整を進めてまいりたいと考えておりますので、御了承のほどお願い申し上げます。 9: ◯議長水野正雄君) 次に、日本共産党区議団を代表して、三十六番鈴木栄一君。    〔鈴木栄一君登壇〕 10: ◯三十六番(鈴木栄一君) 一九九〇年第二回定例区議会に当たり、日本共産党区議団を代表して、区長並びに関係理事者に質問を行いたいと思います。  第一の質問は、今、大きく問題になっております小選挙区制、政党法制定に対する区長の見解についてお尋ねをするものであります。  第八次選挙制度審議会は、去る四月二十六日、小選挙区制導入と政党法の積極的検討を求める答申を首相に提出をいたしました。答申は、衆議院の選挙制度の基本的な考え方として、責任ある政治が行われるためには、政権の安定が必要だとしています。答申で言う政権の安定について、審議会第一委員会の堀江委員長は、「政権党が議会で十分な多数を擁していることだ」と解説したそうであります。政権党、つまり第一党が常に十分な多数を確保できる仕組みとして小選挙区制を選択したというのですから、余りにも露骨であります。  国民主権、議会制民主主義のもとでの選挙制度の基本的な考え方は、国民の意思と選択を公正に反映できる制度をいかにつくるかということでなければならないと思います。異なる意見が国政に反映されない仕組みによって安定政権を人為的につくり上げることを選挙制度の基本とする答申の発想は、民主主義の根本原則を踏みにじるものであり、地方政治までこうなったら大変であります。まず、この点での区長の考え方をお尋ねしておきたいと思います。  また、答申は政権の円滑な後退などのために、小選挙区制導入を中心に、一部比例代表を並立した選挙制度にすることが必要だと強調しています。しかし、この制度は一九七三年の田中内閣が四割台の得票で約八割の議席が独占できるとした仕組みと同じで、政権交代どころか独裁体制の永久化をもたらす選挙制度であることは明らかであります。  選挙制度を考える場合、政権交代が可能かどうかなどを検討すること自体がおかしな話で、可能住を求めるのではなく、民意の公正な反映こそ基準にならなくてはならない問題であります。  また、答申は、「政治活動は国家意思の形成に資するもの」と、公的性格を理由にして、政党に関する法律の整備、つまり政党法制定の必要性を強く打ち出しています。しかも、政党に対する公的助成の点だけでなく、比例代表選挙に名簿を提出し得る政党の要件という点からも検討を打ち出しているのが特徴になっています。しかし、政治活動や政党活動が公的性格を持っていると言っても、それは憲法の集会、結社、表現の自由、思想、信条の自由の原理の上に立つものでなければなりません。答申のように、法律で政党の要件を決めれば、当然結社の自由を侵し、法で政党を規制してしまうことになります。  このことは、自民党内にさえ、「国費を政党に入れるとなると、当然会計監査をしなければならない。そうなれば政党に対する国家権力の介入が起こる」という指摘さえ出ているということであります。まさにファッション立法になってしまい、絶対容認できるものではありません。  このように、憲法の原則まで侵してしまう政党法制定についても、区長がどのようにお考えになっているかお尋ねをしておきたいと思います。  前自民党選挙制度調査会副会長だった森清前衆議院議員が、新聞紙上でこう述べていました。「並立型小選挙区制比例代表制と称するこの制度に関し、結論から言えば議会制民主主義を破壊し、これが議会政治の死滅を招く異常かつ最悪の制度だということから、私は断固反対である」また、「選挙制度は民主主義の根幹である民意が議席数に公正に反映されなくてはならない。民意が正確に反映されなくては代議制政治が成り立たない。選挙制度のいかんにかかわらず、一票の価値を平等にするのは民主主義の絶対的要件である。現在、最大最小に三倍の開きがあり、民主主義の原理に反する格差を放置することは許せない」こう述べておりました。  また、元労働大臣で衆議院議員であった自民党の藤井勝志氏はこう述べています。「選挙制度がどうあるべきかについては、政党、政派、個人によってさまざまな意見がある。それはそれで、主権者である国民の意思を基本に据えて議論すればよい。日本に本格的な議会制民主主義が成立して四十年の歴史しかない、国民の審判を通して国民自身がその中身を成熟させていくもので、時間が必要だ。それなのに議会制は二大政党がいい、そのためには小選挙区制比例代表並立型の選挙制度がいいのだといきなり決め手かかるのはおかしい、しかも、政府自民党首脳はのっけから命運をかけて実施したいなどと口にしている、いかにも議会政治の基本を忘れた議論だ」と痛烈に批判をしているわけであります。  またさらに、「政治改革の基本は政治の清潔と公正を確保するためにどうするかであったし、その前提がなくては選挙制度を幾らどのように変えても腐敗政治はなくならない。選挙制度についてさまざまな意見は存在しても、政治をきれいにしようということに異論を差し挟む人はいない、万人が一致している問題の解決こそ全力を傾注し、命運をかけることこそが今求められている」とのべています。  二人の自民党の元幹部の話を引用させてもらいましたが、私はまさにそのとおりであると思います。この二つの意見に対して区長がどのように考えられるかもお尋ねしておきたいと思います。  選挙制度の物差しは、主権者国民の意思と選択を国会の議席の上に公正、正確に反映させることを原則的見地として探求されるべきものであります。そういう点から見て、小選挙区制は最悪の選挙制度であります。  私は、第八次選挙制度審議会答申について断固反対するとともに、その検討は直ちに中止すべきだと思います。今やるべき課題は、憲法違反の定数不均衡を、現行中選挙区制を維持し、格差一対二未満の原則に基づいて抜本是正をすることだと考えます。そして、全権腐敗の一掃のかぎは、わいろ政治、買収、供応選挙の大もとにある企業、団体献金を直ちに全面禁止することが緊急課題であると思います。  そこで区長にお尋ねします。  小選挙区制、政党法の導入は政権党支配の永続化をねらって、議会制民主主義を破壊しようとするものであって、そのことは地方政治にも大きく影響を受ける問題になってきます。地方自治の本旨からしても重大な問題になります。これらの動向について区長がどのような見解を持っているかということが、今後の区政運営にもかかわってきますし、区長の基本姿勢にもかかわってきます。その点で率直な区長の御意見をお伺いしたいと思います。  次に、固定資産税、相続税問題について質問いたします。  最近は異常な地価高騰という状況は若干おさまったように言われていますが、実際にはまた高値安定から周辺地区の地価高騰の影響が逆輸入する形で動きを見せてきているようであります。まさに異常事態は大都市中心に依然として続いています。  ある試算で発表されたものですが、日本全国の地価の総額は一千八百四十一兆円に上るそうであります。この巨額な金額はアメリカ全土を何と四・二回も買収できる金額になるそうであります。また、東京二十三区の土地の値段でアメリカ全土を買っても三十兆円おつりが来ると言います。つまり、アメリカの国土は四百三十兆円ぐらいだそうであります。それでは千代田区はどうかということで、これらの試算をしている人たちに聞きましたところ、千代田区の土地ではカナダ全土が買えるということであります。別にアメリカの国土やカナダの国土を丸ごと買うなどということはあり得ない話でありますが、こういう対比でいかに日本の土地が狂気のさたで地価高騰していたことはよくわかると思います。  こうした事態の中で、大企業、不動産業がぼろもうけし、庶民は地価のつり上げて固定資産税の増税、相続税の課税で、結局はみずからの土地を手放し、泣き泣き追い出されていくわけですから、まさに踏んだりけったりであります。  その上、こういう事態を知ってか知らぬか、アメリカは日本構造協議の中間報告では、固定資産税の評価について、来年の評価がえに対してまでも均衡化、適正化を図るなどという表現で、評価の水準の引き上げを求めてきているということですから、驚くばかりであります。  固定資産税は収入に関係なしにかかってくる税金であります。そしてこれは、土地所有者だけでなく、借地借家人まで賃料の値上げとなって大きな影響をしてくるものでありますから、すべての区民に、まして他の自治体以上に大きな影響を及ぼし、大問題になり、まさに今区民にとっても死活問題になりかねない状況になってきています。  三月の定例都議会の中で明らかになった数字でありますが、前回評価がえの昭和六十三年は、固定資産税は一五・七%の増税でした。その昭和六十三年の実質賃金上昇率は七・九%だったそうですから、賃金の上昇率の二倍の増税であったということであります。そして、昭和六十三年の家賃、地代の上昇率は三四・九%ですから、固定資産税の二倍の率で家賃、地代の値上げが行われたということが明らかにされています。  また、東京都の主税局長の答弁では、「国土庁の発表による地価公示価格によると、昭和六十一年から平成元年までの三年間では、二十三区の土地の全用途平均では二・三六倍となっており、全国的にはこの三年間で一・四二倍だということですから、二十三区の上昇率は全国平均の二倍近くになり、公示価格がそのまま反映すれば、固定資産税は二・四倍になる」というふうに主税局長が答えています。  前回の評価がえのときには、いわゆる大都市特有の評価方式によって上昇率を圧縮した結果一五・八%の増税になったということですから、例えば、来年の評価がえに当たってこの六十三年のときの前回並みのやり方でやってどれだけの上昇になるか、このように質問をされて、主税局長は、「仮に前回の地価公示価格の上昇率に対する割合を当てはめると、八一・九%の上昇となる」ことを明らかにしたそうであります。もしこのまま来年の評価がえになったらば大変な大増税であります。区民は圧迫されるなどというものではなく、まさに区民追い出し税そのものになりかねません。都内の地価高騰が最も著しかった昭和六十一年七月から平成元年七月までの地価上昇率をもとに来年の評価がえは算定されるわけですから、特に来年の評価がえに対しては厳しい対処を私どももしなければならなくなっています。まさに軽減どころか来年の評価がえは凍結させなければならないほどの事態だと思います。  千代田の土地所有者は大企業を除けばほとんど小地主であり、必要最小限の土地家屋しかもたない人であり、生活そのものの基盤であります。その他は圧倒的に借地人借家人であり、またこの人たちにも大変大きな被害者になるわけであります。区民には地価高騰には何の責任もないし、区内にいる方々は地価高騰の恩恵は何一つ受けていないのであります。大企業中心の大ビルの進出や地上げ屋攻勢でつくったつけを区民が増税や地代、家賃の値上げで払わされては全く我慢できないわけであります。ですから、来年の評価がえは厳しく区としても対処しなければならないし、今区民の声は凍結すべきだというのが率直な声であります。  昭和四十二年の評価がえのときに、据え置きということがありました。実例があるわけですから、凍結することは決して不可能な話を言っているわけではありません。大いに声を大にして、千代田区からこの固定資産税の評価がえに対し、凍結の運動を起こす必要があると思います。  また、相続税問題も深刻であります。巨額の相続税のために、土地家屋や商店の売却を余儀なくされている現状は、私のところへ来る相談件数でもふえてきています。三代続いたら財産がなくなってしまうとよく言われますが、今では不幸にして親が亡くなれば、親と一緒に財産が消えてしまう、三代は続かないですよ、まして親が病気がちだということで深刻な相談になってくるのが、実は相談の現状であります。そうなると親子や兄弟の関係や人間のありようまで影響を与え、悲惨な話まで実は飛び込んでくるわけであります。  そこで私は、東京家裁の遺産分割処分の件数について調べてみました。昭和六十年までは年間大体七百件から八百件台あったそうであります。地価高騰が広がってきた昭和六十一年には九百十七件に上り、昭和六十二年には一千件の大台を越えていました。そして、昭和六十三年には千二百五件と急増していることがわかりました。いかにこの問題が深刻だというのも、この家裁の中での数字でもはっきり照明しています。千代田区の具体的な実態はつまびらかではありませんが、こうした状況により、私は千代田はもっともっと深刻な状況に立たされているんではないかと思います。  相続税算定の基準になる路線価も急激な上昇を示しています。はがき1枚で四十数万円みたいな状況まで実はでてきているわけであります。これ以上放置されれば死活問題であり、人口減少などとまるわけがありません。何としても当面の緊急措置が必要であります。例えば、相続人が引き続き居住する場合に限っては、一定規模以下の相続税の免除及び減免措置をとらせるとか、大都市の特別の事情を配慮する特例を新設させるとか、適切な見直しをさせる、またその研究も必要になってきていると思います。  そこで、区長にお尋ねいたします。  来年の固定資産税の評価がえは、都は既に検討に入っていると思うのですが、区民の生活に深刻な影響を与えることは必至であります。固定資産税のあり方を抜本的に見直しを行わせることが必要ですが、来年の評価がえ作業を中止させ、来年は凍結させるよう国と都に強く申し入れる考えがあるかどうか。また、相続税についても軽減引き下げ措置をとらせ、当面緊急対策など国や都に申し入れる考えがあるかどうかお伺いをします。  また、千代田区として、まさに緊急事態として、この固定資産税、相続税問題で全区民に呼びかけ、区民大会を開き、深刻な実態を国や都に訴えて行くことが、今、自治体の長としてやるべき仕事ではないかということであります。区、区議会、区民挙げて、文字どおり党派を超えて、この緊急事態を打開していくことが、千代田区のまちづくりにとっても、千代田の人口減少問題を解決していく方向を打ち出す点でも大変重要な、そして効果のある行動になると確信をするものであります。区民の切実な声に区長としてどう対処し、どのような決意を持っているか、この問題について明快な答弁を求めたいと思います。  次の質問は、旧国鉄総裁公館跡地確保と特別養護老人ホームを中心として高齢者総合サービスセンターの早期建設についての質問であります。  旧国鉄総裁公館跡地が処分対象用地として決定してからちょうど二年一カ月目になって、本区へ譲渡する答申が国鉄清算事業団資産処分審議会からだされました。この間、いろいろと紆余曲折あり、区も一喜一憂しましたが、区民の願いの実現にとっては大きな第一歩が切り開かれたと思います。  区内に特別養護老人ホームの建設は、我が党区議団はこの十年来、事あるごとに寝たきりのお年寄りを抱え苦労している家族の方々や、いつ同じような状況になるか心配をしている多くの区民の皆さんと、それらの切実な要求や声を反映させ、この願いが実現すれば千代田に住んでいられる、商売も続けていられるという方々が多くいる中で、また千代田区に特別養護老人ホームの建設を進める準備会が発足をし、その運動と合わせて議会内外で奮闘してきたことを思うと、今回の答申は大きな区民の成果だと痛感をするところであります。しかし、この朗報を聞かずに亡くなった人も何人か私は知っています。それだけに一日も早く建設をしなければならないと、改めて決意を新たにするものであります。  いずれにしても対象用地は決定をいたしました。用地買収を含め直ちに本格的な論議を進め、建設の具体化を進めなければなりません。真の区民の願いが実現できるかどうか、これからが区としても、区議会としてもその真価が問われることになるからであります。区当局の今日までの折衝努力も大いに評価するところでありますが、これでほっと一息というわけにはいかないだけに、今後の真剣な取組を望むものであります。新聞報道では「公示価格で数百億」とか「公示価格で三百億円の超一等地」とか、「都心の超一等地を千代田区に売却」などなど大きな見出しで報道されました。しかし、よく読んでみると、あたかも都心の超一等地を多額のお金を出して老人施設をつくるのはといった印象を与える記事もなくはありませんでした。しかし、この用地はもともと国有地であり、用地を公共施設に利用するのは当然のことであります。千代田区に譲渡されるのも当然の処分の仕方であります。国公有地がまず優先的にその地域の自治体に払い下げられ、国民に還元され、効率的に使われるというのは、もう今日では世界的常識になっている話ですから、余り私はびっくりする話ではないと思います。  なぜそう言いますかというと、欧米各国の事情に大変詳しいと言われている神戸大学の早川和男教授の話を一つ紹介したいと思います。西ドイツでも北欧でも、自治体の先買い権を駆使して自治体の所有地を相当広げているそうであります。今度の調査団にもこの点は調べてきていただくといいと思うんですが、早川教授は次にこう述べています。「フランスでは一九八三年に土地の所有、取引に関して法制度を改革して自治体の先買い権を確立しました。以後、すべての土地は自治体に優先的に売らなければならない。例えて言えば、土地所有者が一千万円で自分の土地を売りたいと思ったら、まず自治体に持ち込むことになります。自治体が百万円なら買おうと言い、所有者が不服だと言うと鑑定委員会に持ち込める。そこで二百万円ならよろしいという判定が出たとして、所有者がそんな安い値段で売れないと言ったらば、売らなくてもよろしいということになる。そのかわり、その土地を売る権利は永久に失うわけです。売りたければ二百万円で売る以外にない、そういうやり方なので、土地がどんどん地方自治体に集まってくる。ヨーロッパでは多かれ少なかれ、みんなそういうことをやっている。日本のように企業が高値で先買いして、政治献金して規制を外すなんてあり得ない、自治体が主役です。自治体が確保した土地は公営住宅としてもいいし、あるいは自治体が必要な他の土地を交換していい、それをやるわけです。自治体が公有地をふやしているのは、そうしないと土地政策ができないからです。土地政策は何のためにやるかといえば、人間が生活する基蓋である住宅を基本的に保障していく、そのために家族構成に応じた広さとか快適さ安全、健康面などを考慮し、収入に応じて家賃を負担する住宅政策を確立する。そうしなければ人間らしい暮らしができない、持ち家であろうと借家であろうと、最終的には政府が国民の住宅を保障する。フランスですべてがうまくいっているわけではありませんが、歴史的にそういう方向で進んできた」というのが、実は早川教授の話の一部であります。  私はあえてこの話を質問の中で引用させていただいたというのは、これからの用地価格の交渉が始まるわけでありますが、基本的な考え方、一つの考え方で、私はヨーロッパのこれらの実情もよく知りながら大いに参考にすべきだと思ったからであります。公示価格そのものが異常な地価になっている今日の中で、単純に公示価格より少し上げておけばだとか、不動産鑑定を双方でしてその価値をベースにすればとかではなくて、この用地価格交渉も真剣に私は検討し、対応していく必要があると思うわけであります。  一方、国鉄清算事業団は、できるだけ高く売りたいのが本音などと新聞報道にも書かれているような状況であります。幾ら負債を減らすためにとはいえ、実勢価格で不動産利益を国鉄清算事業団が上げようとするのは全くの筋違いの話であります。地価高騰を招くような売買は絶対に容認してはならないと思います。補正予算では既に三百五十億円の買収費として計上されていますが、今後どのように交渉を進めていくのか、私は区長の見解をこの本会議場で明らかにしておいてほしいと思います。  また、価格問題に関連して、お年寄りの施設をつくるのに土地代だけで三百五十億円、なぜそんなにまでしてつくるのかとか、都心の超一等地に老人施設が必要なのか云々などという全くけしからぬ話もあるやに聞いております。こうした話はたとえ少数であっても区は絶対に許してはならないと思います。  特別養護老人ホームを初めシルバーピア、高齢者の総合サービスセンターの建設は、千代田区の街づくり方針に基づき、生活都心づくりを進めていくためにも、自治体としては最低の債務であり、なくてはならない施設であります。だからこそ貴重な土地に建設をするわけであります。この点を、施設の内容を含めてはっきりしておいてほしいと思います。  また、三百五十億円で用地取得といわれる問題も、財源があるから買うのではありません。多額な用地費になっているのも区の責任ではありません。今日的な都心の異常な地価高騰の真の原因は、大資本の資本蓄積運動の必要に応じた土地投機、土地買い占めのための行動と、それを促進する政府の政策にあることは、もう明々白々であります。その点では区も区民も大きな被害者なのです、財源的には当然財調参入事業になるわけですから、多額であっても私はこの財調の問題でも単年度で財調交付すべきものであると思います。交付金は二年にわたるということでありますが、それも東京都が額が多いから、二十三区とのバランスを考慮してなどというふうに聞いておりますが、やはり東京都もその自治体がどうしても必要な施設であり、都の責任としてもあるという点が欠けると、私はこういう言葉が出てくるんだろうというふうに思うわけであります。その辺を、この施設の重要性と区民の切実な願いと、また自治体としての当然の責務からいって必要な施設であり、胸を張って交渉する必要があると思います。  区長も記者会見ではいろいろと施設内容について構想を述べられたようですが、議会ではまだ明らかにされていませんが、ある新聞でこう書いてありました。これも区長の記者会見の一部でありますが、「内容、外観とも東洋一、外国からのお客さんが来たとき、夫人はここを視察するというくらいの施設にしたい」、余り意味がわからないわけですが、どういうことなのか。私は、今回のこの高齢者総合福祉施設は、もっと区民の願いの切実な問題を長年にかかってつくり上げ、やっと実現のその切口をつくり上げてきた、そのことがあって初めて私は、区の粘り強い交渉の成果が評価されてくるんだという点で、私はこの区民の願いの切実な問題、その内容をしっかりと踏まえていただきたいと思うわけであります。
     高齢者総合サービスセンターとして、具体的にどのような構想をもって区長は東洋一の施設と言っているのか。実際には議会には示されていませんが、区長の基本構想について明らかにしておいてほしいと思います。つまり、今回のこの施設に対する基本理念、ここがどこにあり、その内容も区長としての記者会見の内容を含めて、実は明らかにしておいてほしいと思います。  私は、今回の施設の一つの考え方としてこう思います。第一には、お年寄りの人権が尊重され、弱い者が大切にされる、人間らしい豊かな生活が送れるようにするための核になる施設にする必要があると思います。  第二には、地域周辺との交流を促進し、たとえ体が不自由になっても、また寝たきりになっても、心豊かな老後が送れるようにするための施設になってほしいと思います。  第三には、老人が最も希望する家族との交流が頻繁にできること。自分が生まれ育ち、人生の大半を過ごしたこの千代田のまちにいるということで、自分がそこの社会の一員であるという安心感を与える、そういうことができる施設であるという点が、基本的には理念として大変重要だというふうに思うわけであります。  ある福祉の専門家はこう述べています。福祉の充実は民主主義の度合いをあらわすということであります。寝たきりのお年寄り、ひとり暮らしのお年寄りが安心して暮らせるまちづくりは、憲法で保障されたすべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないという条文から見ても、この施設の建設は極めて重要な施設になるということであります。繰り返しますが、全体の高齢者総合サービスセンターを建設する基本理念について、区長としての考え方を、内容も含めてお尋ねをしておきたいと思います。  次に、この施設の機能、形態、規模について簡単に基本構想の中で示されていますが、当然これからこの問題については論議をしていくことになると思いますので、基本的なところのみ質問をさせていただきます。  特別養護老人ホームを中心としながら、在宅福祉を推進する高齢者在宅サービスセンター、ボランティアセンター、シルバーピア、そして幅広い文化・コミュニティ機能、健康・保健機能を持った総合的施設であるということは大いに評価できますが、私は、あの委員会に示された基本構想の中で、一棟八階建ての単純な高層ビルでいいんだろうか、この辺は大いに検討をする必要があるんではないかということであります。特にシルバーピアの八階は、果たしてお年寄りにとって大丈夫なんだろうか。今、私どももお年寄りの相談が多いわけですが、行くとビルの上の方に住んでおります。そこの主人に聞けば、何とかビルを建設して、何とか千代田に住まなければいけない、だけどつくるとすれば住宅は上につくらなければならない。ですから、結局そこにおじいさん、おばあさんを住まわせてやりたい、神田から出たくないということで、最上階の住宅になってしまう。若い人たちや私たち健常者はいいが、実際に日がたち高齢になり、いろいろな体の不自由さを持ってくると、どうしても外出がおっくうだと言い出す、結局はおりていかない、そのために体が弱る、この悪循環になって、今では一歩も家から出られなくなってしまった。そういうケースを実はかなり聞くわけであります。ですから、今回のこのシルバーピアを含めて、私は必ずしもこのビルの配置の問題を含めて、一棟のビルでなくても計画はできるんではないか、この辺は今後の課題として、十分議会の中でも議論をしていきたいと思いますが、この点でのお考えがあれば明らかにしておきたいと思います。  また、新聞には既にシルバーピアは十五戸ぐらいと報道されています。私どもはこの戸数については何にも論議をしておりませんし、議会では聞いておりません。何戸にするかという建設計画は、全体の問題としても重要な問題になってきます。シルバーピアが、私は一番町のこの用地にだけで終わる施設では実はないと思っているからであります。長期計画の中でも、当然きちっと位置づけなければなりません。また、住宅政策そのものの中にもはっきりとこのシルバーピアが今後位置づけられていくはずであります。ですから、集合住宅を建設する場合に、区の全体の計画、これとの関連が必要であります。これは一般の区営住宅についても同じことが言えると思います。  これは基本的な考え方でありますが、自治体が住宅供給を考えるときは、提供された住宅は当座はあくまでもそこに入居した人そのものの利便に及ぼすものであります。ですから、区が行う住宅政策としては、その政策が、いわゆるその住宅にとってもいろんな人に聞かれても、公平な住宅供給になるためには、それぞれの住宅が一定の必要量、これを明らかにしておく、そしてその建設を目指していくということで、住宅供給の公平を保っていくというのが、実は集合住宅、公営住宅をつくる基本的な考え方として押さえておかなければならないと言われています。その点では、シルバーピアを具体化するときに、記者会見で、区長は五戸から二十戸ぐらいとも言われたそうですが、それでは私は無責任で無策になると思います。ですから、新聞報道で十五戸と書かれているんでしょうが、初めての施策を打ち出すときには、今回の建設戸数が、実際の必要数にこたえる水準をどう目指してここにシルバーピアを位置づけるかという点がはっきりすることが大変重要なことになるわけであります。まして、議会でも論議が十分されない中で、戸数だけが区長から報道されているという点では、私は今までの審議の仕方としても理解に苦しむものであります。この点も明らかにしておいてほしいと思います。  また、他の地方自治体では、シルバーピアと言いながら、実はその内容を見てみますと、そこに入居するお年寄りは自炊が可能でなければいけないとか、ヘルパー派遣などを受けていないお年寄り、これだけを対象にしているというのも、実はあるそうであります。区の基本構想ではもちろんそうなっていないようですが、これは十分検討する必要があります。  そもそも、シルバーピアとは、高齢者の自立生活を援助する管理人のいる高齢者集合住宅であり、高齢者に十分配慮した設計がなされた住宅というのが、いわゆるシルバーピアという基本的な考え方になるわけであります。援助する管理人の体制なども大変重要になってくるわけであります。細かくは、今後特別委員会で集中論議されると思いますので、深くは入り込みませんが、基本的な点で明確に答弁しておいてほしいと思います。  この項の最後にしますが、施設の機能、運営について、複合的施設になるわけですが、おのおのの施設の関連性について、高齢者のみならず、住み、働き、学ぶさまざまな人々が利用できる施設になるわけですから、この点での基本的な考え方と、今後の具体化の中で、基本計画、実施計画合わせてどのようなプロセスを経て検討をしていくつもりなのか、あわせて答弁をしておいてほしいと思います。  これも議会側が全く知らされていなかったわけですが、先ほど自民党の代表質問に、いつ完成していつ入居できるのかという質問には区長は答えられていませんでしたが、新聞には完成も平成五年末かと報道されています。私どもは新聞報道で初めて実は聞いた話であります。今後の計画スケジュールは、実際どのように考えているのか。この辺は明確にしておいてほしいと思います。区長のコメントでは、また、先ほどの招集あいさつでも述べられましたが、「今後区議会や住民の皆さんなど関係者と十分協議をしながら、区民の待望する総合施設の早期建設に全力を挙げて取り組んでまいります」、こう決意をされているわけですから、しかし対外的にいろいろ区長が申されているとすると、その辺は今議会これから審議を始めるわけですから、冒頭のこの本会議で整理をしておいてほしい、その辺を強く要望しておきたいと思います。  四番目の質問に移ります。二十三特別区の自治権拡充を目指す制度改革問題について質問を行います。  特別区制度は、昭和四十九年に区長公選、事務事業の移管、配属職員制度の廃止等地方自治法の改正による自治権の拡充を見たところであります。これは、昭和二十七年の区長公選の廃止以来二十二年ぶりの区長公選制の復活であり、保健所事務や建築確認事務では一般市以上の権限を持つことになり、画期的な拡充になったわけであります。  しかし、このときに地方公共団体の性格としては、依然として特別地方公共団体とされ、都の内部団体的性格を残し、財政自主権の確立も、実は持ち越されてしまったわけであります。財政権では、一般市の税金の中でも主要な税金になっている固定資産税、法人住民税の課税権が区にないということ、都区財政調整制度によって都による調整を受けているということ。また、国保料金など都の調整条例による調整があることなどで、実際には二十三区は半人前の自治体でしかないと言われる問題点は、そのとき改善されなかったわけであります。その結果、引き続き普通地方公共団体への地位向上を目指し、住民に最も身近な自治体として、区民の多様な要求にこたえられるよう、もっと自立的に、自主的に踏まえられる自治体になるべきだとして、自治権拡充運動を、広範に区民の参加の中で行うようになってきたわけであります。  こうした拡充運動の中で、二十三区長会の諮問機関である特別区制調査会の出した特例市構想が、特別区の自主的な一つの制度改革案として打ち出されてきました。こうした特別区の動きに対して、東京都は、当時では何かにわかに都知事の諮問機関である都制度調査会に対し、都独自の新しい都制度のあり方を出させ、そして二つの制度改革案が提示されたというふうになったわけであります。  特別区の自治権拡充の要求に対して、都区双方の協議がこの二つの制度改革案によって開始されてきたのであります。この間、いろいろと論議が区長会、議長会そして各区議会、また二十三区の特特委員長会などでなされてきたわけであります。そこでいろいろ論議の中で、千代田区としてもいろいろと問題点や矛盾を指摘し、意見を述べてきたところであります。基本的には実は東京都の新しい都制度のあり方の考え方の方が強くて、その方向で実は見解を一致させて、そして国に対し、都区の制度改革を要求するという形になってきたわけであります。それが昭和六十一年、都区で合意された都区制度改革の基本方向であります。  この都区合意された改革の要点は、大きく六つありますが、一つは、特別区を大都市区域での基礎自治体として位置づける。二つ目は、都と特別区の役割分担を明確にする、住民に身近な事務は区の事務にする。三つ目は地方交付税の都区合算を廃止し、二十三区全体を一つの市とみなした算定をして、交付があれば調整財源に繰り入れる。四つ目は、区の起債許可権は大臣にあったが、一般市同様都知事に移す。五つ目は、都区の財源配分は法定化して固定して、その配分はなるべく税目で行う。六つ目は、現行の調整三税の徴収は都が行い、二十三区間の財政調整は区間の協議、新しい機関と言われましたが、この協議に基づいて都が行うというものに、実はなったわけであります。  この合意内容は特例市構想と、いわゆる新しい都制度のあり方、その後、新都構想などというふうにも呼ばれましたが、これを一緒にしたものでありまして、区間の調整をだれがするかという点では、この二つの答申では真っ向から対立をしたわけであります。決定的に違ったんですが、結局は都による調整で、都の関与を実はこの都区合意は残してしまいました。  当時私は、二十三区議会の特特委員長会の会長を務めていましたが、千代田区議会の意見としても、そのときも財政自主権を主張する立場から、都が財調に関与できる制度を残すことは問題になるんではないか、基礎的自治体になるという点から、その主体性、自主性を貫くべきだということを主張してきましたが、今日的には、実はこの主張が大変重要だったんではないかというふうに思うわけであります。つまり、地方制度調査会の論議の中で、これで制度改革かと言われる点での大きな弱点になっているようであります。  いずれにしても、昭和六十三年九月より発足した第二十二次地方制度調査会で、この都区合意による都区制度改革の基本構想については審議がされているし、七回の総会、十八回の行政問題小委員会が開かれ、この中で論議がされていると聞いています。そして、特別区側のヒアリングとして意見も四月に聞かれているようでありますが、今日までの特別区の自治権拡充運動と区側の取り組みと到達点について、私は、この第二十二次の地方制度調査会のこれらの動向について、中身の点も含めて、区長としてどうとらえられているのか、また、今日の時点で区長の見解も改めて、この都区合意の内容を含めて今後の対応を考えていかないと、私は大変になるというふうに思うわけであります。  地方制度調査会行政問題小委員会等々では、論議されている内容はどこまでつかんでおられるかわかりませんが、委員会でも若干報告がありましたが、四月のこの特別区に対するヒアリングの問題等含めて、これらの内容問題を含めて区長がどのようにお考えになっているのか、この際あわせてお伺いしたいと思います。  私も内容は余りつかんでいないんですが、聞くところによりますと、この地方制度調査会の行政問題小委員会では、「都区合意の範囲ぐらいでは制度改革といっても意味がないのではないか」とか、「都区制度を検討する以上、大都市東京を超えて首都圏全体を含めて問題にしなければならないんではないか」などといった主張や発言があるということであります。二十三区をどうするかなら、規模の格差をどうするか、そっちの方が必要なんではないかなどという意見や、都心三区は国直轄の地域にする考え方の方が正しいんではないかという意見や都心区再編論まで実は取りざたされているということを聞くわけであります。  地方制度調査会でこんな論議がされているとしたらば、特別区の戦後四十五年にわたる自治権拡充の歴史的経過を全く無視する方向で論議されているということであり、断じて容認するわけにいかないわけであります。自民党の区議会連絡協議会でも、最近大会を行ったそうでありますが、その理由は、最近における第二十二次地方制度調査会の審議状況や自治省の対応などは甚だ予断を許さない現状だとして、この制度改革推進大会を開催したと、会長のあいさつの中で述べられていたようであります。そういう点から言っても、私は今度の地方制度調査会の動きというのは、この九月までの問題で大きく区側としてその意見も、また、本当に普通地方公共団体となって基礎的自治体となり、この二層制の自治体の中でもしっかりと自立した自治体になるという点をきちっと踏まえて主張する必要があると思います。そういう意味で、区長としてのこの現状認識がどうなっているかという点、これからの区の対応も具体的に行動としてどうするかという点も、実は大変重要な問題でありますので、また、区長としても大きな責任にかかわる問題になりますので、また、千代田としては存立基盤そのものから揺り動かされかねない危険な動きもあるわけですから、明確に答弁を求めておきたいと思います。  三月の定例区議会で、私の代表質問で、臨時行政改革推進審議会の答申がそのまま閣議決定され、その内容が地方行財政への官僚的統制の強化をねらい、全面的に自治体を再編成する方向が打ち出されているということを指摘しましたが、都区制度改革がこれらの、いわゆる新行革審の意見を背景にしてやられるという危険さえ実はあるわけであります。ですから、地方制度調査会は七月には小委員会での報告が出されるんでしょうが、九月には本答申が出されることは、任期切れ等含めて間違いないわけであります。  今こそ区民本位の真の自治を、憲法で保障された地方自治法に基づく基礎的自治体として普通地方公共団体への法改正をさせること、ここを大きく強調をし、そのために民主的な改革の方向で幅広く論議をしていく、政府や自治省に対しても明快な態度を区側からとっていく、このことが大変重要な問題として求められていると思います。  特別区として、千代田区長として、都心区として九月の答申の時期に向けてどのような取り組みを進めようとして考えているのかを、その見解とあわせて答弁を求め、私の代表質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 11: ◯区長木村茂君) 鈴木栄一議員の御質問にお答えいたします。  まず、小選挙区制及び政党法の問題でございますが、第八次選挙制度審議会より、先般、総理大臣に答申されたところでございます。この答申の基本理念は、政治に対し国民の意思を正しく反映できるような諸制度の確立、政治に対する国民の信頼を確保すること、また、投票価値の格差是正、さらには政策本位の政治、政党本位の選挙をこの改革によって目指し、実現を図っていこうとするものでございます。  ただいま鈴木栄一議員から詳細にわたって種々御指摘、御意見がございましたが、私は引き続く選挙制度審議会や国会での論議等その推移を見守ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後国会等での十分な論議が尽くされ、公正な選挙制度の実現を期待いたしたいと存じますので、御了承願います。  次に、固定資産税についての御質問でございますが、平成三年度における評価がえにおいて、最近の異常な地価高騰により、評価額の上昇が懸念されておるところでございます。東京都においては、従来より特に投機的な土地取引によって生じた地価の高騰等大都市における異常な土地取引の実態が評価に反映しないよう努めており、さらに国に対しても理解を得るべく折衝を重ねておるところでございます。  私は、この問題は区民生活と密接な関連を有するものであり、かつ本区のまちづくりを推進するためにも極めて重要な課題であると認識いたしております。  固定資産税の負担の増大が、区民に及ぼす影響については、私も大変憂慮しており、今後も大都市特有の評価制度の定着に向けて、都と連携を密にしながら対処してまいる所存であります。  次に、相続税問題についてでございますが、異常な地価の高騰が相続税算定の基準となる路線価の上昇につながり、区民の相続税負担がますます増大し、区民生活を圧迫しておることは、私も十分承知しており、大都市特有の特例措置が必要であると痛感をいたしております。  また、御提言の区民大会につきましては、行政の立場から慎重に対処してまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、異常な地価高騰がもたらす固定資産税、相続税問題につきましては、機会あるごとに国や都に働きかけてまいりたいと存じますので、御了承を願います。  次に、旧国鉄総裁公館跡地確保と特養ホーム等公共施設早期建設についてお答え申し上げます。  まず、今後の用地取得交渉についてでございますが、今回の国鉄清算事業団資産処分審議会の答申により、本区への譲渡が決まりました。今後は早期契約に向けて、国鉄清算事業団と交渉してまいります。交渉の中心は価格になるわけでございますが、国鉄清算事業団の土地処分は地価を基準とした価格によると聞いております。したがいまして、これからの交渉は多くの困難が伴うことが予想されますが、本区といたしましては、地価抑制の観点からも、周辺地価に影響を与えないよう適正価格をもって早期に契約締結ができるよう熱意をもって取り組んでまいりますので、今後とも御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。  次に、高齢者サービス施設の整備の基本的な考え方につきましては、第一に、急速な高齢化の進行、近隣や家族が持っていた福祉的機能の低下など本区を取り巻く地域特性の変化を踏まえながら、区民の福祉需要に適確に対応する必要があると考えております。今後も高齢化比率の増加が予測されており、人生八十年時代の長寿、福祉社会にふさわしい社会システムを構築していくことが重要と考えております。  基本的には、高齢者が家族や近隣、地域社会との触れ合いの中で、可能な限り生活を続けられるという、いわゆるノーマライゼーションの理念を基本として考えております。記者会見においても、この理念をもとに述べたものでございます。  次に、シルバーピアの御質問でございますが、その建設戸数、階層につきましては、現在においては最終的に確定したものではなく、また、高齢者向け住宅の総合的な計画につきましては、今後、住宅基本計画の中で検討されることになります。今回の設置予定につきましては、高齢者サービスセンター等の施設建設の中で、具体的な点について十分検討していきたいと考えております。  また、シルバーピアの対象者の範囲につきましても、虚弱なひとり暮らし高齢者等に対する福祉に配慮した住宅との基本的な視点に立って、千代田区における高齢者の実情に合わせた、より充実したものとなるよう検討してまいりたいと考えております。  次に、今後の予定といたしましては、施設建設を進めるに当たりましては、区議会を初めとして、区民、関係団体と十分協議し、建設基本構想をつくり、基本計画、基本設計を策定し、理解と協力を得ながら、できるだけ早期に施設建設に着手できるよう努力を傾注してまいる所存でございますので、御了承願います。  次に、特別区制度改革につきましてお答えいたします。  地方自治は本来区民本位によるものであり、憲法上保障されたものではなくてはならないものと認識をいたしております。現在の特別区は制度上、特別地方公共団体として位置づけられ、真の自治体の姿であるとは申せません。このために、特別区としては憲法上の普通地方公共団体として自治権拡充を目指し、自立性の確立した区民に身近な基礎的自治体を目指しております。  これまでも鈴木議員の御指摘のとおり、地方制度調査会における論議の動向を勘案するに、先ほどの招集あいさつでも申し上げましたとおり、本区の主体性、また、都と区の関係等につきまして、必ずしも楽観すべき情勢ではないと私も認識をいたしているところでございます。したがいまして、特別区制度改革の実現を目指し、都区合意の内容を基本に置きつつ、当区の主体性も十分踏まえながら、今後とも努力を傾注してまいります。  また、大会開催や広範な区民への制度趣旨理解を求めるため、PR活動等もより一層積極的に努めてまいりたいと存じますので、御了承願います。  なお、詳細につきましては関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 12: ◯企画部長(瀧見浩之君) 特別区制度改革のうち、第二十二次地方制度調査会の審議内容等について、区長答弁を補足してお答えいたします。  第二十二次地方制度調査会での審議内容についてどのように把握しているかの点のお尋ねですが、御案内のとおり、行政問題小委員会が秘密会であり、残念ながら定かな内容把握は十分ではございません。これまでの都や区長会会長、標準区の助役等の小委員会でのヒアリング、その他特別区制度改革推進室で得た情報等を総合的に勘案するならば、特別区を基礎的自治体に位置づけること、それから、一定の事務事業等について、都からの移管が図られること、三つ目に、税財政制度について一部都区合意と異なる方向があること、四つ目としまして、特別区の区域の再編についての論議があること。また、九月の第二十二次地方制度調査会の任期切れまでに、都区制度の問題について一定の結論を得て答申が出される見通しであることなどが、現状の到達点ではないかと認識をしているところでございます。  いずれにいたしましても、制度改革のいわば重大な局面に至っていると思われますので、今後とも第二十二次地方制度調査会等の動向を中心に、制度改革に対する情報の的確な把握に努めてまいりたいと思います。 13: ◯三十六番(鈴木栄一君) 自席から再質問させていただきますが、あとはいろいろな委員会、今定例会で論議します。  一点だけ、固定資産税、相続税問題で、私は区民大会というか、それを区としてやったらどうか、それは区民大会という名前にこだわらなくてもいいんですけど、来年の評価がえを含めて、それから、相続税の深刻さというのは、口ではあらわせないほど実は大変なわけですね。既に東京都の方もかなり準備をしていく状況に入っているんじゃないかと思うんですが、先ほどの区長の答弁で、都と連携を密にして対処するという点では、東京都は来年評価がえするとはっきり言っているんですよね。それをしないとか、これから検討するとかというんじゃなく、既に三月の都議会では、それは八一・六%までに上がっちゃったら、前回は一五・九%ですから、大変な倍率ですけど、それは主税局長が委員会での答弁でそういう数字を出されたわけですけど、その後都知事がいろいろ、何とか自治省とも折衝をして、それでやると、言うなら自治大臣と都知事とのさじ加減で決まるんですかなんて質問者が言っているような状況がそのやりとりの中であったわけですね。そういう意味では、都としては間違いなく来年は評価がえをする。四十二年のときに凍結があったじゃないかといっても、あれはいろいろあったけど実際には値上がったんだみたいなことを言いながら、あったことは東京都としても、そうです、四十二年は一回据え置きました、だけど、じゃ来年はと言ったら据え置かないわけですから、その辺は私は千代田の現状から見たらば、それこそなりふり構わず反対しないと、二十三区全体のレベルで固定資産税が評価されれば、これは大変な増税になることは間違いないという点では、私は区として特別な主張、意見を述べていくのが、今の時期大変重要なんじゃないかなという点で、例えば、区民大会とか、区民挙げて意見を出すとか、何らかの方法をとっていく必要が私はあるんだろうというふうに思うので、都と連携を密にして何とか、区長も知事とは大変なあれですから、通じるということだけでは、実は都と区の行政的な、政策的な問題ではそう簡単にいくものじゃないだろうと思うんです。そういう意味では、その辺もう一度どうなのかひとつお答えを願いたいと思います。  それから、区民大会は行政の立場から慎重に行いたいと言いますけど、制度改革問題は区長会が先頭になってやっていますから、別にそのことについて私は何ら危惧することはないと思うんです。特特委員会なんていうのは外されたぐらいですから。ですから、その辺では十分できるわけですね。それはやる気があればできる話だったんで、決して政治行動みたいな問題にとらえるんではなくて、私は区民の人たちの本当に死活問題として、区長みずから、区挙げて、この問題については真剣に考えている、この意思表示が私は都や国、自治省に対して大変大きな役割を果たすんではないか、それがこの秋までの時期に大変重要なんじゃないかというふうに思うので、その辺をもう一つお伺いをしたい。  そして、よく区長答弁であるんですが、機会あるごとに国や郡に働きかけますというのは、もう一度聞くと、いや、区長会のところで言いますとか、これこれで出したという点では、私は弱いんじゃないかと思うんですよ。それで努力なされてないとは言いませんよ。それはいろいろなときに区長がそういう主張され、要望されていくということも、それはそれで評価するところですが、しかし、相続税問題を含めて、この問題でそういう機会があったらば働きかけますよでは、私は違うんじゃないか、もう少し働きかけが、区として自主性を持ってやる方向をひとつ打ち出していただきたい。そういう点でどうかということをお聞きします。  あとの問題は別の機会にさせていただきます。    〔区長木村茂君登壇〕 14: ◯区長木村茂君) 鈴木議員の再質問にお答えいたします。  固定資産税、相続税の区民に対する重圧は重要な問題と認識いたしており、適宜機会をとらえ、国や都に都心区の重圧を訴えてまいっております。しかし、税制の問題について、行政が区民大会等の運動をみずから積極的に展開するということには、私は慎重であらねばならないと、こう考えておりますので、御了承願いたいと思います。 15: ◯議長水野正雄君) 議事の都合により暫時休憩いたします。    午後三時二十九分休憩    午後三時五十五分開議 16: ◯議長水野正雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長いたします。  代表質問を続けます。  公明党議員団を代表して、九番川島ひろゆき君。    〔川島ひろゆき君登壇〕 17: ◯九番(川島ひろゆき君) 平成二年第二回東京都千代田区議会定例会に当たり、公明党議員団を代表して質問をいたします。  まず最初に、旧国鉄総裁公館跡地についてお伺いをいたします。  去る五月三十日の朝刊各紙が、二十九日国鉄清算事業団資産処分審議会が、全国十二の重要資産を、随意契約及び一部公開入札で処分する発表がございました。地元自治体と売却を決定した中に、当区の一番町旧国鉄総裁公館跡地がその対象になっていることを大きく報道し、あわせて木村区長の記者会見の模様が伝えられました。この中で、区が考えている利用構想として、特別養護老人ホームを含む高齢者サービス施設、地域に開かれた文化コミュニティ施設、さらには温水プールなどの健康・保健増進施設等が明らかにされ、多くの区民が喜びをあらわしたところであります。  我が党は、これまで高齢化社会の到来を早くから重要視し、その対策の総合的取り組みの必要性を標榜してまいりました。特に人口減少の大部分が若年層であり、必然的に高齢化が著しい千代田区において、高齢化施策の充実、強化は急務であります。これまでの定例会においても、さまざまな角度から問題点を指摘し、同時に新たな提案等を再三にわたり行ってきたところであります。  こうした中で、今回、高齢者が待ちに待っていた特別養護老人ホーム等の総合的サービス施設建設のめどが立ったことは、千代田区に住み続けたいと願う多くの区民の皆さんの切なる要望、熱意が具現化したものとして、区民の総意として喜びを共にするものであります。この朗報を区民に明らかにされ、我々の願いを真剣に受けとめてくれた木村区長並びに理事者の皆様のこれまでの御努力に改めて深く敬意をあらわす次第であります。そして、用地の正式取得と施設の一日も早い建設に向け、引き続き努力をさらにお願いするものであります。  そこで、用地取得のめどにつき、当面必要な予算が今定例会によって補正計上された現状において、今後の具体的取り組みに対する基本的事項についてお伺いをいたします。  まず第一に、用地の取得見込額についてお伺いをいたします。予算では一平米一千百五十万円、総額三百五十億円計上されております。また、一般会計予算総額を上回る高価な買い物でありますが、これからの価格交渉においてこの額がベースになるわけであり、契約に向けてどのような見通しをお持ちか。  また、清算事業団は当然時価を基本に主張し、交渉は困難が予想されると思います。区としては、地価高騰抑制の責任をも有するわけで、少しでも安い価格で契約すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。  第二に、利用構想案についてお伺いいたします。今回提示された案では、高齢化社会に対応した高齢者サービス施設が中心になると思いますが、文化コミュニティ機能、健康・保健機能が付加された総合施設とした理由について明らかにしていただきたい。  そして、これら三つの施設がどう総合的に機能させようと考えているのか、御見解をお伺いいたします。  第三に、取得する土地の有効活用方策についてお伺いをいたします。区の年間予算規模を上回るいまだかつてない、また、今後も多分あり得ない高額な買い物をするからには、どう有効活用するか重要な課題であると思います。また、全国から多大の注目を集めることでしょう。こうした観点から、現行法令によって許容し得る容積を最大限活用した設計を検討することはもちろん、機能的にもデザイン的にも、二十一世紀を展望した、いわば全国のモデル的建築物の建設を図るべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。  また、現在、大都市都心部の住宅建設、開発計画に対する各種規制緩和の法案が上程されるなどの動向があります。設計段階までにはまだ十分時間があると思いますが、これらの動向を十分見極め、有効なものは積極的に導入していくべきであると考えますが、御見解をお伺いいたします。  さらに、今後、地元や関係者と十分協議をしていくとのことですが、ある週刊誌でも大々的に報道された、隣接地が公務員宿舎、大変古い公務員宿舎でございますが、有効利用問題も場合によっては区の当該地と共同開発すべく発想も提起されることも十分予想されます。こうした地元の動向や地域住民の発想にも対応策について十分調査研究しておく必要があると思いますが、御見解をお伺いいたします。  第四に、管理運営方法についてお伺いをいたします。今回構想されている施設は、当区が初めて取り組む要介護施設がメーンとなると思います。こうした施設の管理運営には当然専門的かつ経験豊かな団体等のノウハウが求められる必要があります。したがいまして、施設完成後のスムーズな施設運営のために、設計段階からそれらの発想を導入することが大切であると考えられますが、いかがでしょうか。  また同時に、今から総合施設としての管理運営方法をどのようにするのか十分検討すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。  この項の最後の質問といたしまして、最大プロジェクトともいうべき総合サービス施設に向けての財源の裏づけについてお伺いをいたします。  土地代三百数十億、建物代六十から七十億円が予想されると新聞報道にもありましたが、この財源は、今後区の山積する行政需要を考えますと、どう確保され、いかなる財源を充当されていくお考えか、区民も区にそんなにお金があるのか、あるいは税金をもっと取られるのではないかなど心配もしております。この際、この点は大丈夫だというような答えを、区長さん、ぜひ区民の皆さんが安心する明快な御答弁をお願いいたします。  また、財源の裏づけとして、都区財政調整交付金の交付が制度上約束されているはずですが、土地代、建設費をどれぐらいの額、何割ぐらい期待し得るのか、もちろんこれからの都と折衝になるでしょうが、その見通しについて御見解をお伺いいたします。  次に、固定資産税、都市計画税の評価替えについてお伺いをいたします。  先ほど共産党の議員団からも質問がありましたが、一部重複すると思いますが、よろしくお願い申し上げます。現在、政府税制調査会の土地税制小委員会において、土地税制の抜本的見直しが審議されております。それは、地価高騰や資産格差の拡大を受け、固定資産税などの保有課税の強化が焦点となっております。  こうした情勢の中で、来年は固定資産税、都市計画税の評価替えの年になっております。そして、来年の評価替えは昭和六十一年八月から昨年七月までの、地価高騰が最も著しい地価がベースになると聞いております。六十三年の評価替え時は、評価額のアップ率を地価上昇率の六割に圧縮するとともに、小規模住宅用地については三年間の期限つきで都市計画税を二分の一に軽減するなどの措置がとられましたことは周知のとおりであります。  国土庁発表による地価公示価格によれば、昭和六十一年から平成元年までの三年間における二十三区特別区の地価公示価格の全用途平均は二・三六倍になっているとのことでございます。何とアップ率が一四〇%にも及ぶ急上昇であります。前回の評価がえ時の地価上昇率の二六%に比べて約五倍以上の急上昇率となるわけであります。これを特別区の平均的ケースを例にとって示しますと、平均値は土地百六十五平方メートル、家屋は八十平方メートルを基準に、現在の年税額は、固定資産税が七万三千五百円、都市計画税は土地分の半減措置を受けて二万七千円で、計十万五百円になります。これを来年の評価替えについて、地価上昇率を単純に評価額のアップに反映させると、固定資産税と都市計画税の半減措置を継続させても、計二十四万一千二百円、約二・四倍にはね上がるとのことであります。  私は、このような例から見ても、来年の固定資産税、都市計画税の評価がえについて重大な関心を持たざるを得ません。もしこのままの地価の異常な上昇率がそのまま固定資産税や都市計画税の評価にはね返った場合には、区民の生活は税の重さによって破壊され、場合によっては泣く泣くみずからの土地を手放さなければならない事態ともなりかねません。  このような、固定資産税や都市計画税が過酷な区民追い出し税となってしまうことは、当区の人口減少にますます拍車がかかるばかりでなく、税の制度から言っても、また、区民感情から見ても決して許されるはずはないのであります。千代田区議会は、本年の第一回定例会において、固定資産税、都市計画税の税負担緩和を求める意見書を採択しております。また、港区を初め十五区の区議会が同趣旨の意見書を採択しております。このことは、いかに来年の評価替えが区民及び中小商工業者の生活に深刻な影響を与えるかの重大さを示唆していると思います。また、当区の重要な課題であるまちづくりに大きな障害となるだけでなく、区政運営にも重大なる支障をもたらすなど極めて憂慮すべき問題であると考えます。  今日、固定資産税など土地保有課税の強化を中心とした土地税制の改革が進められている中で、固定資産税、都市計画税の評価額の圧縮が大変困難な状況にあると聞いております。区長はこのような状況をどう受けとめられているのか、まず御見解をお伺いいたします。  次に、都市計画税の軽減措置でございますが、現在、二百平方メートル以下の小規模住宅用地については二分の一の軽減が実施されておりますが、この軽減措置は時限的なもので、平成二年で切れてしまいます。すなわち今年いっぱいでございます。この軽減措置は都知事の権限でできると聞いておりますので、ぜひ来年からも継続するよう都に働きかけていく必要があると思います。  また、併用住宅について、現在、四分の一以上の居住面積が最低の軽減適用条件にとなっておりますが、これらをもっと緩和して、都心千代田区の特殊事情に実効のある軽減措置をもあわせて都に要望していく必要があると考えますが、区長の御見解をお伺いをいたします。  また、現在、都条例において、生活扶助を受けている方々などに対し、固定資産税の減免措置を行っておりますが、これを拡大して年金生活者や低所得者にも及ぶような減免措置の拡大が必要であると思います。  このように、固定資産税は一般に経常の所得により賄われることになっておりますが、年金生活者などのように比較的収入の少ない方々にとっては大変な重税となっております。特に最近の地価高騰が、こうした低所得者層に対して困難な状況をつくり出しており、中にはみずからの土地家屋を手放さなければならないなど大変な悲惨な場合もあるわけでございます。したがいまして、収入の少ない年金生活者などを救済する減免措置の拡大を強く望むものであり、この点についても区長の御見解をお願いいたします。
     次に、出張所及び区民会館のあり方についてお伺いをいたします。  出張所は住民の便宜を図る目的をもって本庁から離れた場所に設置された区の行政機関であります。しかしながら、本区の出張所の前身は、戦前から組織されていた町会の事務所が区の出張所として統合吸収されていったという歴史的な経緯があります。そのため、本区区民の出張所に寄せる関心、親近感はとりわけて強いものがあると思われます。  このような出張所及び区民会館について、区政ニーズの多様化、社会経済情勢の変化に伴い、そのあり方の見直しが必要となってきております。そのため、真に区民サービスに対応できる出張所及び区民会館を目指し、区の内部においても鋭意検討がなされていると聞いております。  平成元年十二月、千代田区公共施設適正配置検討委員会において、出張所のあり方についても検討され、構想案が示されました。それによりますと、出張所は地域センターとして、地域コミュニティの振興、育成機能、行政サービス提供機能の二つを備えるとともに、区民の地域活動の拠点機能として、地域区民館を併設するとなっております。そして、本案は、現在、他の公共施設をも含め、公共施設適正配置検討懇談会において検討が進められ、来年五月を目途に答申が出される予定であると聞いております。本区区民の出張所及び区民会館に対する関心は極めて強いものがあり、いろいろの要望があるのではなかろうかと思われます。  このような経緯の中で、昭和六十三年二月、住民情報オンラインシステムが稼働し、住民票、印鑑証明書、戸籍謄本・抄本が区内どの出張所からでも交付が受けられる等改革がなされたことは大いに評価をいたします。さらに本年度からは第二次導入が図られ、ますます区民の利便性向上とともに、窓口事務の軽減化が図られております。しかし、その一方で町会その他公共的団体が行うイベントなどの支援事務局として参画するケースが増加する傾向にあります。また、区民の各種生活相談も増加し、いわゆる出張所処務規程などにない規程外の仕事が目立ってきていることも聞いております。  こうした状況を踏まえ、出張所の組織が新しい次長制に本年四月一日付で変更になりました。今回の組織改革は、将来の出張所のあり方を予想して行ったものであるか、窓口事務の減少に合わせて行ったものであるか、まず御見解をお伺いいたします。  出張所に寄せる区民の関心と期待が高い中で、今回の組織改革の効果が有効に機能することを願うわけであります。出張所運営の基本は所轄住民の実態と意見を日ごろから十分に酌み取ることが重要と考えております。その基本的見解と具体策について御見解をお伺いいたします。  また、出張所に併設されている区民会館でありますが、大半は昭和四十年前半に建設されたものであり、建設当時は中小商工企業に勤務する青少年あるいは婦人の地位向上のためニーズは高いものであったと思われますが、現在の高齢化社会において多目的に使用するためにも、各会館にエレベーターの設置など有効活用策について検討する必要があると思います。  さらに、現在の出張所及び区民会館は四階ないし六階の中層建築物であり、現行法で許容し得る容積を一〇〇%使用していない建物が多いのが現状であります。また、傷みの激しいものもありますので、建てかえも検討されると思いますが、その場合、上層階には職員住宅または区立住宅を建設し、非常時、災害時に職員を備えるとか、または人口対策に寄与するなどこれからの施設整備に当たってはこれらの点も十分検討されることを要望しておきます。  いずれにいたしましても、公共施設適正配置検討懇談会の来年の答申をもって本格的な、計画的に出張所及び区民会館の見直しを具体的に進めていくと思いますが、幾つかの具体的な問題について御見解をお伺いいたします。  以上、大きく当面する三つの議題につき質問いたしましたが、区長並びに理事者の明快なる答弁をお願いいたしまして、私の代表質問を終わります。  以上です。ありがとうございました。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 18: ◯区長木村茂君) 川島議員の御質問にお答えいたします。  初めに、旧国鉄総裁公館跡地の取得見込額についてでございますが、今回の国鉄清算事業団資産処分審議会の答申を受けまして、今後は売買契約に向けて価格を中心に交渉に入るわけでございますが、国鉄清算事業団の土地処分は時価を基準とした価格によると聞いております。したがいまして、今後の交渉は大変難航が予想されるところでございますが、地価抑制策を遂行する立場を十分に踏まえ、双方が納得できる適正価格をもって早期に契約締結できるよう誠意をもって交渉してまいりますので、今後とも御理解と御支援をお願い申し上げます。  次に、用地取得並びに建設費の財源についての御質問にお答えいたします。  財源につきましては、都区財政調整交付金と長年積み立ててきた基金の取り崩し等によって確保し、今後の区税等の一般財源に求めることは現在考えておりません。また、都区財政調整につきまして、今後具体的な協議を進める中で、当区の実態に即した措置がなされるよう努力してまいりますので、御了承をお願いいたします。  次に、固定資産税、都市計画税の評価替えについてお答えいたします。  固定資産税、都市計画税の評価替えにつきましては、来年が評価がえの基準年に当たります。しかも、評価のベースとなる地価が、昭和六十一年八月から平成元年七月までの地価高騰が最も厳しい時期であることも御指摘のとおりでございます。  このような状況の中で、政府税制調査会の土地税制小委員会は、土地税制の見直しとして、土地資産課税の適正化を図るために、土地保有課税強化の方向を打ち出したことは、私もよく承知をいたしております。しかしながら、当区のように地価高騰の著しい地域においては、固定資産税、都市計画税の軽減は、区民生活を守る見地から、さらには、まちづくりを推進する意味においても必要な措置であると認識をいたしております。したがいまして、私は来年の固定資産税、都市計画税の評価替えに当たり、異常な地価高騰がそのまま評価に反映しないように、国、都に対して機会あるごとに働きかけてまいる所存でありますので、何とぞ御了承をお願いいたします。  次に、都市計画税軽減措置の継続でございますが、現行の軽減措置の継続はもとより、併用住宅の軽減措置についても、その必要性を認識いたしております。  また、年金生活者などに対する固定資産税の税負担が深刻な問題となっておることも承知をいたしております。したがいまして、固定資産税の減免措置の拡大についても考慮されるべき課題であると存じております。  いずれにいたしましても、当区の異常な地価高騰がもたらす固定資産税、都市計画税問題につきましては、機会あるごとに積極的に対処してまいりたいと思いますので、よろしく御了承のほどお願い申し上げます。  なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁いたさせます。    〔総務部長小藪俊雄君登壇〕 19: ◯総務部長小藪俊雄君) 川島議員の御質問のうち、出張所の組織改正についてお答え申し上げます。  区におきましては、本年二月、実施計画にかかわる事業推進体制の確立及び区民にわかりやすく、かつ区民サービスの向上につながる簡素で効率的な組織づくりを目標とした平成二年度組織整備方針を策定いたしました。出張所の組織改正も、本方針に基づき本年四月に実施したものでございます。  改正の趣旨についてでございますが、近年のOA化の推進を初めとした事務処理機能の改善状況や、出張所がコミュニティ機能の核として、地域需要等に的確に対応するため窓口の一本化を図り、区民にわかりやすい、かつ動態的な組織に整備したものでございますので、よろしく御了承のほどお願いいたします。    〔区民部長加藤忠君登壇〕 20: ◯区民部長加藤忠君) 御質問のうち、出張所、区民会館に対する住民要望の取り入れについてお答えいたします。  出張所は住民に最も身近な区の窓口として、また、地域のセンターとして区民の日常生活に密着したサービスを提供しております。また、区民会館は地域住民の活動の拠点として、さらには住民がみずから学ぶ学習の場としても、日々多くの区民から利用されており、住民の出張所、区民会館に寄せる期待の大きさ、強さは御指摘のとおりでございます。  その期待に十分こたえるためには、各地域の実情及び住民各層の意向を的確に把握することの必要性を十分認識しており、従来から最大限の努力をしてきたところであります。いずれにいたしましても、区の公共施設の適正配置について、現在、庁内検討を初め公共施設適正配置懇談会において検討のさなかでございます。今後、地域住民の御要望はもちろん、社会情勢をも十分勘案いたしまして対処してまいりたいと考えております。  なお、区民会館の設備等に対する御要望につきましては、区民会館の諸機能の充実はもちろん、区有地、区有施設の最大限の活用の見地からも、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。    〔福祉部長八田和之君登壇〕 21: ◯福祉部長八田和之君) 川島議員の御質問のうち、旧国鉄総裁公館跡地の利用構想等についてお答えいたします。  本区は生活都心の形成に向けて、昼間人口を含む広範な区民による新しい発想に基づく魅力と活力あるまちづくりを目指しているところであります。とりわけ、急速に高齢化が進む中で、特別養護老人ホームを中心とした高齢者サービス施設と、人間性豊かな活気と安らぎのある都心の形成のための文化コミュニティ施設、健康・保健施設がともに従来より区民から強く要望されていたところであります。幸い、このたび譲渡の答申がなされた旧国鉄総裁公館跡地は、一定規模の広さが確保されており、この三つの機能をあわせ持った総合施設の建設が可能となったものでございます。  また、どう総合的に機能させようと考えているかについてでございますが、入所者や在宅サービスの利用者である高齢者及びその家族や地域の若い世代や区内に働く人など広範な区民が広く開放された場の中で、ともに憩い、語らい、交流し、触れ合いを図るなど三つの機能が有機的に連携した施設として機能することを期待しているものでございます。  高齢者サービス施設の基本設計に当たりましては、御指摘のとおり経験豊かな法人等の助言を取り入れてまいりたいと考えております。  また、施設全体の管理運営の方策につきましては、利用者の立場を考慮しつつ、施設全体の一体的な運営を確保するとともに、各施設機能の特性を十分踏まえた運営を図る方向で今後十分に検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御了承のほどお願いいたします。    〔建築公害部長石津達太郎君登壇〕 22: ◯建築公害部長石津達太郎君) 土地の有効活用方策についてお答えいたします。  この施設は、区民の方々が長年切望されていたもので、早期建設が待たれているところであります。このため、改正法による規制緩和制度の適用や隣接敷地との共同開発につきましても、その効果を十二分に承知しておりますが、今回の建築計画に当たりましては、現行の都市計画法及び建築基準法のもとで、容積を最大限確保して、理想的な施設の早期実現に努めてまいりたいと考えております。  また、御指摘のように、そのデザインは地域にふさわしいものとし、周辺の良好な環境とよく調和し、地域の景観形成の向上に資するなど質の高い建築物を計画してまいりたいと考えております。 23: ◯議長水野正雄君) 次に、日本社会党区議団を代表して、十八番中村つねお君。    〔中村つねお君登壇〕 24: ◯十八番(中村つねお君) 千代田区は存続することができるかなどという質問通告をしておりますので、何を今さらばかなことを言ってと、まゆをひそめる方がいらっしゃるかもしれませんが、実は、私はこのことをまじめに心配しています。  それというのも、特別区制度のあり方を検討している、審議している第二十二次地方制度調査会で、人口五万を割っているような区と県をも上回るような区を同列に論ずる必要があるのかといった意見が出されたり、別の場所では、千代田区を国直轄にしようかなどといった考え方が出されていることが伝わってきているのにもかかわらず、千代田区の夜間人口減少は相変わらず歯どめがかからないでおり、区にあっては、まちづくりの調査研究に多忙という現状であるからであります。  すぐに千代田区がなくなるわけではないから心配するなという人がいるかもしれません。しかし私は、その認識は楽観的過ぎる、あるいは大変無責任であると思います。もしそのころには自分は千代田区にいないからという態度が見えたとしたらなおさらのことです。地方制度調査会での発言が正当性を帯びているかのように流され、周辺区から、それもそうだという話があること自体に、千代田区の置かれた状況に、私は危険な状況であると認識しているところでございます。将来に向けた一種の地ならし、世論づくりではないかとさえ疑念を持ってしまうのです。  今回、旧国鉄総裁公館跡地を獲得できたことについて、私は御苦労なさった関係者の御努力を大きく評価しながらも、なぜ千代田区がという周辺の驚きと疑問については、千代田区政の重要性がまだまだ十分に浸透していないものとして率直に受けとめております。この場所にあえて高齢者施設をつくることは、内外に高齢者施策の重要性を明らかにするものであり、高齢者施策のシンボルとして位置されるものだと思います。このことはきちんとアピールしておく必要があると考えます。  地方制度調査会の話に戻ります。九月に予定されている答申は相当あいまいな内容に落ち着くことが推測され、法改正時にはがっかりさせられることが予測される状況下にあって、残念ながらこのままでは制度改革に大きな期待を寄せづらくなっています。もし、将来道州制が云々されるときには、千代田区が真っ先にやり玉に上げられることが目に見えています。このまま配置分合権すらない状態でいたら、私たちは千代田区の未来について決定権も発言権もないままに、国に身をゆだねてしまうことになります。そのときに幾ら区政存続の必要性を訴えたとしても既に遅く、大きな波に飲み込まれてしまいかねません。答申が出される前に、今直ちに関係機関への働きかけを強めていく必要があります。同時に、千代田区政の重要性に客観性を持たせる諸施策を展開し、世論形成に向けた努力を急ぐべきだと考えます。これは人口増加の諸施策とは別の性格と役割を持っているものです。  ところで、私たちが千代田区政の存続を訴えるとき、千代田区がなくなって一体だれが困るのか、議員や職員のために区政の存続を言っているのではないかという反応が返ってくることがままあります。こうした反応やつぶやきは庁舎内からも聞こえてくることがあります。これは率直な疑問として受け取る必要があるかもしれません。私自身も、なぜ千代田区に人が住まなければならないかを明確にすべきではないか、つまり、人が住むということは自治体が存続するためということでありますから、その課題に直結するわけでありますけれども、こうした質問を理事者に申し上げたことがありますから、この点が未整理のままではいけないと感じているからです。そうでなければ、千代田区の主張は千代田区の都合、あるいは自治の論理を振り回しているにすぎないと言われかねません。千代田区政の存続の重要性を云々する前段となる、千代田区政がなくなった場合に一体だれが困るのかについて考えてみることが大切です。  千代田区が再編される形態は基本的に二つあると思います。一つは、国の直轄地となることです。これは実例がないだけではなく、従来の行政サービスを確保するためには、現在の千代田区役所と同様の組織が必要であり、国でいうところの効率性についてはメリットがありませんし、自治の精神に反するという点からいっても現実性が薄いので、一応対象の外に置いておいてもよいのではないかと思います。  二つには、隣接区との合区ということです。合区になった場合には住民は困るかということについては、結論を先に言えば、物理的に大きな弊害があるとは思えません。多少の困難性が伴ったとしても、物理的な意味での従来の行政サービスが極端に低下するとは考えられないのです。何しろ千代田区を含めて特別区はどこでも同じような行政内容を持っているからです。しかし、区民にとって物理的な通常の行政サービスにおいては大きな弊害が起きないと推測できても、精神的な苦しみはあります。従来より区役所が遠い存在となるばかりか、無理やり合区されることに対する抵抗感等が気持ちの中に残っていくおそれがあります。実はこの気持ちというのが大切です。どんなまちにも独自の歴史と文化があり、行政とのかかわり方にも独自性を持っています。これへの配慮がなく、強引な形で他と統合すれば、当然もろもろのトラブルが生じ、行政そのものへの不信感が広がっていきます。また、一歩間違えばまちの文化そのものが押しつぶされてしまうことさえあります。  さらに大きな問題として、千代田区に住み続けようと努力している人たちの生活環境が極度に悪化することが考えられます。合区によってできる新しい自治体は、全体の中で居住地域と事業所集中地区とを線引きというか、役割分担させることによって、従来の居住地区を確保するでしょうから、旧千代田地区の事業所化が今以上の速度で進行することになります。なぜなら、今でも千代田区に本拠地を求めようと懸命になっている企業が多いのに、千代田区を含む新しい自治体ができることによって、本拠地を求められる可能性が拡大し、企業イメージアップや企業活動の活性化のために希望者がここに殺到するからです。このことは、やがては新しい自治体をも、現在の千代田区と同様な悩みを抱えることになってしまいます。その点でいえば、千代田区政の存在そのものが隣接区等の事業所化の防波堤の役割を果たしているともいえます。いずれにしても、合区は千代田区民にとってメリットがあるとは到底思えません。  アルバイトなどを除く特別職にとって合区がどう影響するかということですが、合区になれば当然特別職の数が減りますから、当事者としては決して楽しい話ではありません。しかし、特別職というのは四年を任期とするものが基本ですから、何らかの事情で職務から外されたとしてもやむを得ない性格を持っています。最初から覚悟してあきらめるほかはありません。したがって、特別職の都合でどうのこうのというのは最初から論外なのです。それにもかかわらず、これを持ち出して千代田区を批判することは、事物を正面から見ることのできない人か、意識的に本質をすりかえている人だと言わざるを得ません。  区職員の方はどうでしょうか。通常な公務員が失業するとは考えられず、合区となっても、多少は昇進の道が狭まるとしても、身分上の問題が起こることはありません。むしろこの安定感が職員の中から区政に対する危機感が伝わってこない原因なのかもしれません。  区内の企業、事業所が特別合区によって困ることもないと考えます。許認可の関係については、どこの自治体も大差がなく、通常の関係に大きな変化が起こるとは思えません。ただし、千代田区政と各企業、事業所との関係が今のままであればということが前提です。  少々荒っぽい言い方でしたが、このように千代田区に住み続けようとする区民以外の人たちが決定的な被害をこうむるとは考えられないというのが現実です。それなら余り騒ぐことはないではないかという声が聞こえてくるような気がしますけれども、そうはいきません。たとえ数が少ないとはいえ、そこに住民が住んでいて区政の存続を強く希望している限りは、区政の存続、発展に向けて努力をするというのが自治体の基本姿勢であり、責任であると思います。千代田区が隣接区に吸収されるとか、逆に千代田区が隣接区を吸収するとかいう議論があったとしても、ここではこれは何の意味もありません。  ただいま申し上げたことは、ほとんど千代田区の事情ということになります。やはり客観性を持っていなければなりません。千代田区政を取り巻く人たち、千代田区を構成する人たちの中に、区政への積極的な評価、新たな期待感が存在していなければならないと思います。そのためには区政の存続が必要不可欠であるというものになっていること、別の言い方をすると千代田区ならではのアイデンティティを区政が有していることが決定的になります。  私は、千代田区政は独自のアイデンティティを持つことの可能性はあるものの、まだ確立していないと認識しています。必要とされているのにもかかわらず、それにこたえ切れていないということです。  千代田区のアイデンティティの柱は何かといえば、文化都心の形成と国際化施策の具現化であると思います。千代田区は他の自治体とは異なり、わずか十一平方キロメートルの地区内に皇居、政府機関、都庁、大手企業の中枢機構と三万七千以上の事業所、外国企業、外国金融機関、大使館等を擁し、昼間人口百十万人の極度に情報が集中及び集積され、または発信される特異性を持っています。このことが千代田区をして政治経済活動の中心として全国の、世界の目を一身に集中させているのです。ここに文化と国際化のセンターとしての機能を持たせたならば、だれもが千代田区の存在を否定することができなくなります。この発想は急に私が言い出したのではなくて、街づくり方針に示されています。私はそれを単にここで強調しているにすぎません。文化と国際化は切り離して論じるわけにいきませんが、便宜上ここでは国際化に絞って述べさせていただきます。  二十一世紀は人類の大半が都市及び都市化社会の中で生活する都市の時代と言われ、日本でも世界でも都市化の進展は著しく、その速度は過去に例を見ない速さで進んでいます。そして、次代には世界の都市の結びつきや連携、幅広い交流によって国単位では解決できなかった問題の処理が可能な時代になると言われています。  こうした時代の推移の中にあって、世界都市東京の中心に位置している千代田区が、全国の自治体や諸外国などと相互理解を図ることは意義があります。みずからを主張するだけではなく、今日の千代田区政を支えてきたすべての団体の立場を理解し、尊重し、協力し合う姿勢をもって全国に、そして世界に千代田区のメッセージを発信していくことが、千代田区が理解され多くの応援を得る近道であると考えます。日本が農村主導型から都市主導型へと移行しつつある今日、近代的都市型の文化都心を形成するとともに、思い切った国際化施策を打ち出すことは、千代田区の存在意義に大きく客観性を持たせることになります。  国際化をハード面で言えば、交通、通信システム、宿泊所、会議場等の施設、装置であり、異文化圏に住む外国人の人々を引きつける文化遺産あるいは秋葉原再開発に見られる商品化し得る有形無形の資源の存在であり、見えないシステムとしての法制度です。  ソフト面で言えば、国際化戦略それ自体と国際化の進展に伴って千代田区が新しい制度的整備を行ったり、文化的摩擦を抑制して生活習慣などの新しいあり方に適応していくということです。  少し具体的に言うと、千代田区の置かれた位置の重要性を踏まえ、千代田区独自のアイデンティティを形成するための国際化施策を論議すること、古い概念に固執しないで日本人のあり方、区民のあり方について研究すること。区内十一平方キロメートルの上だけで区政を考えないことといった三つの基本を押さえながら、有為的人材を育成するのにはどうするのか、これについては単に語学という限定したものだけで考えないで方針を打ち出し、異文化に対する広報活動を再点検し、交流の対象となる地域を研究する機関の設立、または庁内に国際交流センターのようなものを新設し、交流の目玉を絞り込むことということになります。  当面は大企業だけではなく、中小企業や区民による民間レベルの交流、親善の場を提供すること、例えば連合町会長の海外派遣団を検討するというのも大変おもしろいと思います。また、大使館との関係を密にしたり、帰国子女の持つ個性を生かし、この帰国子女というのはどうも排他的な響きがしてなりませんけれども、枠にはめ込まず、そのセンスを私たちが学び吸収する機会を多くつくることや、外国企業との共同事業を経験することも大変貴重だと思います。それから、以前から申し上げているように、公設の日本語学校を設立し、大使館等を通して留学生を受け入れることについてはぜひ実現していただきたいと思います。忘れてはならないことで、国際化に関する予算を思い切って増額し、使用目的や使用方法については当初から余り枠はめしないで自由度を高くしておくことが大切です。  それから、注意しなければならないことに、日本の教育自身が文化摩擦を和らげるどころか、逆に摩擦を強める一面を持っているということを承知しておかなければなりません。教育現場においては、従来の詰め込む、社会や周囲に合わせる、違いをなくす、異文化を認めないという体質を改善して、自分で考える、世界に聞く、違いを生かす、異文化を認め尊重する方向へと転換する必要があります。  従来の学校教育は、今日の驚異的な経済発展をなし遂げた労働力を、その支えとなった労働力を量産することには適していても、世界を舞台にして活躍できる人材づくり、あるいは生き抜く強さを持った人間づくりには適していないからです。と申し上げても、いきなり内容を伴った方向転換ができるわけではありませんから、例えば、留学生を区立学校に招き、その国々の話をしてもらい、友好と相互理解を深めたり、時には彼らの協力のもとで外国のメニューを給食に出したりしながら、身近なところから国際社会を感じてもらいながら、徐々に国際化時代に適応した教育内容、教育現場へと充実していくことがよいのではないかというふうに思います。  こうしたことができるのは、全国見ても千代田区だけ、千代田区ならではということになります。幸いにも千代田区民の国際化に対する関心は強く、ハイセンスな人たちが多いという利点、区内の教育機関や企業に集積されている能力、豊富な人材を考えたとき、千代田区の国際化施策は短期間のうちに極めてすぐれたものが打ち出されるであろうと思います。そして、それが千代田区ならではのアイデンティティとなり、千代田区を構成する人たちのみならず、全国の、世界じゅうの世論が千代田区政を評価し、千代田区政存続発展の大きな力となることを信じてやみません。  以上のことを踏まえた上で、具体的な何点かの質問をさせていただきます。  一つは、千代田区の存続ということについては、客観的にも、主体的にも大変厳しく、危機的な状況であると思いますが、区長及び理事者はこれらをどうとらえ、どう認識されておられるのか。また、どう対処なさろうとしておられるのかという点でございます。  二つには、千代田区の存在、存続に客観性を持たせるために、千代田区ならではのアイデンティティを形成する必要があると思いますが、この点をどうお考えになられておられるのかということでございます。  三つ目には、アイデンティティの一つに国際施策があると考えますが、これを展開していく必要があるとするならば、そう認識いただくならば、その方向性をぜひお示しいただきたいということです。  そして最後に、教育委員会におかれましては、国際化対応のポイントをどこに置き、今後はどういう方向性をもって活動を展開なさろうとしておられるのか。  以上四点につきまして、今まで述べた点を踏まえて御答弁をお願いし、これまでの質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 25: ◯区長木村茂君) 中村つねお議員の御質問にお答えいたします。  まず、千代田区の存続ということについてでございますが、私は、地方自治体としての本質は、住民福祉の維持向上と地域社会の発展向上にあり、自治体の長としてその趣旨を十二分に認識し、課せられた責務を担い遂行していかなければならないものと、深く自覚しておるところでございます。  歴史と伝統に培われた千代田区の存続にかかわる諸課題、いわゆる御指摘にもありました人口対策、まちづくり、さらには特別区制度改革の推進などは自治の基盤に関する重要な課題であり、今後とも身を挺してその解決に向け最大の努力を傾注するとともに、都心区千代田としての主体性を十分に主張しながら対処してまいる所存であります。  今後とも区政運営に対し、区議会はもとより全区民の御理解、御協力を切にお願い申し上げます。  次に、アイデンティティの形成の必要性についてお答えいたします。  千代田区らしさをより鮮明にしていくべきであり、これが千代田区存続の基盤になるという御指摘はごもっともでございます。国際都市東京の中心地に位置する千代田区の長として、私といたしましても、このことは強く認識し、自覚しておるところでございます。  歴史ある千代田区の現状を十分踏まえるとともに、千代田区街づくり方針の掲げる四つの都市像、生活都心、文化都心、商業都心、情報都心の具現化を図っていく、このことが当面のみずからに課せられた責務と考え、区政運営に当たっておるところでございます。  区政を取り巻く諸情勢の変化を踏まえ、長期総合計画を新しくする取り組みを始めたところでもあり、二十一世紀を見据えた、世界に開かれた都心区千代田区としてのアイデンティティとオリジナリティを明らかにしていく所存であります。また、その際には区議会はもとより昼間人口を含む広範な区民からの御意見をもとにしてまいりますので、御了承願いたいと思います。  次に、千代田区の将来と国際化のあり方についてお答えをいたします。  本区には多くの国際関係機関や外国事業所が集中し、地域そのものが国際社会と接する場所であり、日本の顔、東京の顔として国際化時代の最先端に位置しております。私はこうした国際社会の中における千代田区の存在を十分認識する中で、御指摘の都心千代田区の存亡を考える上でも、国際的視野と施策の充実を図っていくことが区政の重要課題の一つであると認識するものであります。  また、国際化対応とは、すべての行政施策を世界に通用する、国際社会に対応し得るものに再構築する過程と考えるものであります。もとより国際化の主役は区民であり、地域社会であります。したがって、区民一人一人の国際化を可能とする条件の整備を進めていくこと等が重要と考えられます。  また、国際化施策の積極的展開は、千代田区再生を図る上での重要な施策の一つでもございます。国際化施策の重要性にかんがみ、この四月には特命事項担当の副主幹を設置し、組織強化を図り、これまで以上の積極的な取り組みを始めたところでございます。  また、言うまでもなく国際化施策は全庁的な調整と総合性、体系性が要求されますので、議会での御議論を踏まえながら、千代田区国際化推進検討委員会の中で十分な検討を重ねさせ、早期にその体系化と具体的な施策の展開を図ってまいる所存でありますので、御了承をお願いいたします。  なお、他の事項につきましては、教育長をもって答弁いたさせます。    〔教育長井澤一弘君登壇〕 26: ◯教育長(井澤一弘君) 中村つねお議員の御質問のうち、学校における国際化対応についての御質問にお答えいたします。  これからの新しい国際化は、これまでの我が国の近代化時代における国際化と異なり、全人類的かつ地球的視点に立って人類の平和と繁栄のためにさまざまな分野において積極的に貢献し、国際社会の一員としての責任を果たしていくものでなければならないと考えます。そのためには、学校教育においても、社会の変化に積極的に、かつ柔軟に対応する能力や個性の伸長、思いやりや協力の精神、義務や責任を果たす意識等これからの国際化に対応するために必要な心情、判断力あるいは態度を育成する必要があると考えております。  このような観点から、本区における各園、各学校においても、それぞれ特色ある教育課程を編成し、日々の教育活動に当たっているところであります。  また、国際理解教育の推進につきましても、社会的、文化的、政治的制度を異にする世界の諸国民を理解し、相手国の国民生活の実態を理解するために必要な人格的資質を育成することも努力するべき事項だと考えております。  今後の本区における国際化に対応する学校教育のあり方につきましては、本区の置かれた状況を十分踏まえ、留学生を区立学校に招き友好を深めるなど本区に在住、在勤、在学する外国人、あるいは海外経験を有する人々の御協力をいただくなど本区立学校に在籍する児童生徒の異文化への理解を深めることに努めてまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、将来国際社会の中に生きるよき日本人、よき一人の人間の育成を期した教育のあり方など国際理解教育の新たな方向を目指し、その基本的考え方、方策等を、現在、教育委員会内部に設置しております調査研究会において十分検討し、できるだけ早い時期に結論を出していきたいと考えておりますので、御了承いただきたいと存じます。 27: ◯十八番(中村つねお君) 自席から再質問させていただきます。  千代田の危機的な状況ということをどう認識するかという冒頭の質問につきましては、質問と答弁が率直に言ってすれ違っています。一般的には存亡をかけてなんていう話が絶えず理事者の口から出るんです。あるいは人口問題が、居住スペース、住宅問題が最大の課題である、努力するというふうに言葉では出てくるんですが、三月議会で申し上げましたように、まだと言いながら、調査研究に走り過ぎているのではないか。街づくり方針ができて、この具現化、具現化と言いますけれども、一部を除いては何点かの具体的な成果は上がっていますが、それほど大きな成果は見えてないんですよ。なおかつ、これからまだ調査研究に走るという状態でいいのかどうかという、なぜそういう状況になっているのかということについても真剣に考えなければならないと思うんですよ。公適配の問題もそうですけれども、これから具現化するためには何年かかるのかわからないです。居住スペースの創出という大きな課題を持ちながら公適配が研究、検討されているわけですけれども、答申が出され、それが区の方針となったとしても、実際に具現化するのは何年か先になるんですね。あるいは先ほどから出ています国鉄総裁公館跡地も建物としてでき上がるんだって、これも何年もかかるわけでしょう、そういう意味では主体的な力がどんどんどんどん落ちてきているんですよ。これはもう私が申し上げるまでもなく、皆さん御承知のとおりだと思うんですね。この問題について、いろいろまちづくりについて云々、質問すれば確かにおっしゃいます。四つの都市像を具現化するために。でも、これをまくら言葉にすれば理事者も議会も、周りも安心するというような、こんな状況にありはしないかということなんですよ。なぜもっと具体的な、あるいはまた悲壮感というふうに言えば言い過ぎかもしれませんけども、真剣さというか、現在の千代田区の置かれている危機的な状況に対して緊迫した感じが伝わってこないのは残念でならないんです。私は、そういう意味では、非常に言いづらいんですけれども、主体的な力が落ちているという大きな理由の一つは、もしかしたら庁舎内にあるというふうに感じているんですよ。これを何とかしなければならない、そういう認識に立たずに一般論を繰り返したところで、現状は打開されないではないかというふうに思うんです。
     それから、これは主体的な力をつけるために、いろいろただ努力するということでありますけれども、その可能性は大いに持っていると思うんです。力もあると思うんです。もう少し理事者、職員、我々もそうかもしれませんが、一体となって、言葉の一体じゃないんですよ、本当に一体となって、あちこちぶつかり合って、みんな向いている方向が違うなんてことないようにしていただきたいし、協力体制をとっていただきたい。できるんですよ、ただ、みんな向いている方向が違うからおかしいということで、力にならない、発揮できないという状況があるということです。でも、言葉で質問すればきれいな答弁が返ってくるという状況については、それ自体も私は危機的だと思うんです。  それから、周囲が千代田区をなかなか認めない、言葉では正しいんだと言っても、これは独善主義ですね、周りが認めなければどうしょうもないですね。そういう意味では、周囲をも、千代田区というのはすばらしい、千代田区でなければこういう行政はできないというものを打ち出す必要があるんじゃないか、つまり客観性を持たせる、千代田区がなくなったら、千代田を取り巻く、構成している人ももちろんですけども、周囲も困る、世界の人々も困るぐらいのものを打ち出していかなければならないと思うんです。これは決して大げさなことではないし、それは千代田ならできると思うんです。  前から申し上げているように、千代田区長の場合は国際化問題については非常に関与していらっしゃいますから、今の千代田ならできると思うんです。それを思い切って打ち出していただきたいというふうに思うんです。この点につきまして、もう一度、いま一歩突っ込んでといいますか、行き過ぎもあるかもしれませんけれども、御質問申し上げたことにつきまして、再度御意見を、その点どうお考えになっているのか御答弁をいただきたいと思います。    〔区長木村茂君登壇〕 28: ◯区長木村茂君) 中村議員の愛区の至情、本当に頭が下がります。理事者も議員と同じ気持ちで、千代田区の存続が危ういとまでは言っておりませんけれども、もっともっと千代田区を明るく、ビューティフルに、住み続けたい、そういうまちにしていこうとみんな真剣に思っております。したがって、例えば、飯田橋の都営住宅、当初四十戸を六十戸目標で、それがまた百十三戸と、それは計画段階でいろいろ知恵を出し合って、それでは橋詰用地を、道路敷をということで四十戸が百十三戸になった。あれはやはり計画段階で相当議会、理事者が知恵を絞って関係当局に働きかけた。あの一番悪い例は歩道橋ですよね、一気に歩道橋といって、つくったはいいけれども全然歩行者ないという、じゃ、撤去すると、あれは行政のむだですよね。もう少し慎重に準備段階で計画を練りに練ることが必要だ。四番町の都営住宅がよく例に出されるんですが、あれも今年中にはこれは都営住宅のことですから、あんまり区でおせっかいやくことはできないんですけれども、もう設計に取りかかって、三倍ぐらいに入居者をふやそうとか、それから、神保町一丁目南部、あそこも今の計画では、まだ発足したばかりですけれども、準備組合。今駐車場難だ、じゃ三百五十台から五百十台ぐらいの駐車場スペースをつくる、それで百二十戸ないしもう少し住宅を乗せたいとか、西神田もそう、同じような筆法なんですよね。だから、深刻に考えて、困った困ったというより、やっぱり着実に各部署で人口増につながる施策を、それはやっぱり何と言っても、今度の総裁公館跡地も、千代田区に住んでいれば、老後は自分ないし配偶者が、そうなった場合でも区が面倒を見てくれる、そんなら千代田区は動きたくない、千代田区にずっと住み続けたい、そういう定住化にもつながるわけですから、そういう施設を文化施設とか体育施設とか、そういうものを公適配の中でいろいろ御検討いただく。  千代田区というのは一番高度医療の施設がずっと完備しているんですよね。学校がいいし、交通は御案内のように三十幾つも地下鉄のあれはあるし、情報は新聞社、朝日を除いちゃ毎日、読売、日経、サンケイ、東京新聞、全部ある。だから、千代田区は本当に情報の面でも何でも、医療の面でも防災の面でも、先ほど言った緑をもっとふやす、大きな樹木を、街路をきれいにするとか、道路を広げる、本当に他区から見れば非常にうらやましがられるくらい立派なあれだと。ただ、これからも橋をピッチを速めて直していく、景観をきれいにしていくとか、なるたけ快適に住まえるまちを、みんないろいろの部署で考えていく。  議員御指摘のように、国際化、これはもうほかに千代田区みたいなところは、国際的に貢献できる場所はないと思うんですよね。皇居は皇室外交。国会、官邸は政治レベルでの国際友好関係。経団連、商工会、年じゅう経済界の人があそこへ寄っていろんな会議をやっている。それから、都庁跡地には国際フォーラムができて、あれがメッカになると思うんですよね。したがって、そういう背景は全部完備しているんですから、あとは先ほど御指摘のように、自国の文化に誇りを持つ、他国の文化にも尊重の念を払う。したがって、アンケートで差別感を持たされたとか侮辱されたとかいうのは、千代田区の中の国際交流の場ではなるたけ少なくして、もう外国人なら、若い人は別にしても、車へ乗るとき、電車へ乗るときは、むしろどうぞとか席を譲るとか、やはり千代田区は外国の人から見て温かみを感ずる。自由で平等で、本当にお友達になり切れるというふうな、区民一人一人が国際化の主役ですから、そういうふうなまちに持っていきたい。それを今、企画部に副主幹を置いて、一応検討はしている。秋時分にはある程度中間的なあれができるかもしれませんが、そうやって着実にこれから一歩一歩、口だけで言うのでなくて着実にやっていこうと、こういうことですから、ひとつよろしく御協力のほどお願いしたいと思います。 29: ◯議長水野正雄君) 以上で、各会派の代表質問を終わります。  お諮りいたします。本日はこの程度をもって延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 30: ◯議長水野正雄君) 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  継続会は六月七日午後一時から開会いたします。  ただいま御出席の方には文書をもって御通知いたしませんから、さよう御了承願います。  本日はこれをもって延会いたします。    午後五時十五分散会      会議録署名員       議  長  水 野 正 雄       議  員  大 宮 正 義       議  員  城 井 健 介 発言が指定されていません。 Copyright © Chiyoda City, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...